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関東甲信は12年ぶりに5月中の梅雨入りか?台風2号が抜けるまでは断続的に雨予想

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風2号の雲の様子(ウェザーマップ)

週明けから梅雨前線が本州付近に停滞?

降水域の予想(ウェザーマップ)
降水域の予想(ウェザーマップ)

上図はあさって29日(月)昼の降水域の予想です。

台風2号の雨雲がフィリピンの東から沖縄の南にあり、これとは別に本州付近にも雨雲が横たわっています。これは大陸から伸びてきた前線に伴う雨雲で、性質的にはまさに梅雨前線と呼ぶにふさわしい構造をしています。

この梅雨前線が来週は週を通してほぼ本州付近に停滞する見込みで、そこへゆっくりながら台風2号の雨雲も北上してくるため、来週の週末にかけて、週を通して雨の降りやすい状態が続く見込みです。

まるで梅雨、というより梅雨入り?

10日間予報(ウェザーマップ)
10日間予報(ウェザーマップ)

ウェザーマップが発表している10日間予報をみると、あさって29日(月)には関東甲信地方で雨が降り始め、台風2号の位相が抜ける予想の来週末にかけて断続的に降る予報となっています。

気象庁から発表される梅雨入りの条件は、特に明確に決まっているわけではなく、梅雨の時期に、それまでの天候と向こう1週間程度の予報を考慮し、雨や曇りの日が多くなり始める頃とされています。

来週はほぼ1週間雨の予報ですから、この予報だけをみれば、まさに条件通り、梅雨入りということになりそうなのですが、悩ましいところは、関東甲信地方の梅雨入りの平年日は6月7日頃で、まだ10日程度も早く、しかもその平年日がくる再来週にけっこう晴れ間がある予報となっていることです。

来週を梅雨本番とみるか、あるいは梅雨の走りとみるかは、まさに気象庁の判断次第となりますが、梅雨入りの発表には、雨の降りやすくなる時期に大雨による災害に備えるよう注意喚起をするという側面もありますので、台風がらみで大雨が予想されるような状況となれば、思い切って発表した方が良いのかもしれません。

5月の梅雨入りならば12年ぶり

関東甲信の梅雨入り、早い方からの記録(筆者作成)
関東甲信の梅雨入り、早い方からの記録(筆者作成)

上図は、梅雨の統計がある1951年以降で、関東甲信の梅雨入りの早い記録(5月中)を調べたものです。もし雨の降り出すあさって29日(月)に発表されれば、5月中の梅雨入りは2011年5月27日以来12年ぶりで、統計史上3番目に早い記録となります。

このように記録的に早い梅雨入りとなってしまうため、やはり梅雨本番ではなく、梅雨の走りだとして、梅雨入りの発表を躊躇するかもしれません。

台風2号は沖縄の南でゆっくり転向し、北東へ

台風2号の予報円(ウェザーマップ)
台風2号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

猛烈な台風に発達していた台風2号ですが、きょう27日(土)午前9時の発表では、やや勢力を落とし、中心気圧925hPa、最大風速50メートル、最大瞬間風速70メートルの非常に強い勢力となりました。

台風2号は週明けの30日(火)頃までは非常に強い勢力で、フィリピンの東海上を西進したあと、沖縄の南海上に達し、ゆっくりとですが、徐々に北から北東方向に転向する予想となっています。とはいえ来週6月1日(木)午前9時の段階でも、まだ沖縄の南海上に位置している予想で、なかなか速度が上がりません。

沖縄の南からの進路はまだかなり不確実で、北へ行くのか東へ行くのかなどは、依然としてハッキリしませんが、偏西風に乗って、本州付近へ近づくモデルも多いため、沖縄はもちろん、本州付近でも油断は出来ない状態です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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