N.Y.中心部で41センチの大雪 子供が喜べない「ある事情」
アメリカ北東部で、ドカ雪が降っています。
ニューヨーク中心部のセントラルパークでは24時間で40センチを超える雪が降りました。ニューヨーク州知事は、非常事態宣言を発令して、不要不急の外出をしないように呼び掛けています。
市内の空港では9割の便が欠航したほか、新型コロナウイルスのワクチン接種会場も閉鎖されたもようです。
また残念なことに、ニュージャージー州では、アルツハイマー病を患った女性が雪の上で倒れて亡くなっているのが発見されました。
これまでの降雪量
1日(月)夜までの降雪量は下記の通りです。
ニュージャージー州メンダム、76センチ
ペンシルバニア州ローズバレー、71センチ
ニューヨーク州ハリソン、62センチ
ニューヨーク州セントラルパーク、41センチ
今後の予想
雪はまだ降り続きます。
気象局によると、2日(火)にかけて予想される総降雪量はニューヨーク市街地で50センチとなっています。強風も吹き荒れ、吹雪のような状態も続くと予想されています。
一つの嵐がニューヨーク市街地にこれほどの雪をもらたすのは、70センチの雪が降った2016年以来のことです。
(↑アメリカでは結構お馴染みの雪の日の光景。スキーで出勤。)
大雪の原因
この大雪の原因は、アメリカ東岸沖で発達した低気圧です。このような低気圧は、北東風をもたらすという意味から「ノーイースター(Nor'easter)」と呼ばれます。
東京に雪を降らせるのが南岸低気圧ならば、ニューヨークやワシントンDCの大都市に雪をもたらすのが、このノーイースターです。都市機能を麻痺させる恐れのある嵐です。
一般に南岸低気圧の場合では、中心が八丈島を通ると東京で雪、それより北だと暖気が入って雨、逆に南だと雨も雪も降らないという法則があります。
ノーイースターも同じで、絶妙な距離感で陸に近づいた時に、都市部で大雪が降ります。今回のノーイースターはまさにこの距離感で接近しているのです。
雪で喜ぶパンダ
さて大人になると童心を忘れ、雪が苦手という人が増えます。私自身も、大雪で7時間タクシーの中に閉じ込められてからというもの雪は苦手です。
しかしパンダは大人になっても、雪の中で無邪気に遊びまわります。
ワシントンDCにある国立動物園のジャイアントパンダ・メイシャン22歳は、まさにそうで、雪の積もった斜面を地味に滑って楽しんでいました。その様子がツイッターを通じて公開されたのですが、その「いいね」数たるや15万回に達しています。愛嬌のあるパンダの姿は世界の人の心をつかんだようです。
雪遊びは昔の話
大雪の日は子供にとっても特別な日です。なぜなら大概の場合、学校が休みになるからです。少し昔の子供たちならラジオから、今の子供たちならテレビやインターネットから休校の有無を確認して一喜一憂するのです。
しかしそんなワクワクする雪の日は二度と訪れないかもしれないという、残念な事態が起きています。
というのも、新型コロナウイルスの影響でオンライン授業の技術が格段に進化した今、わざわざ学校を閉鎖しなくても、オンライン授業を続行できる環境が整ってしまっているというわけです。
そのため、ニューヨーク州などでは1日(月)は公立の学校が休みとなりましたが、オンライン授業は行われ、子供たちは雪遊びできないどころか、家で勉強する羽目になってしまいました。
どうやら新型コロナウイルスは、子供の貴重な楽しみも奪ってしまったようです。