オスプレイ関東に飛来相次ぐ
沖縄県普天間基地所属のMV-22オスプレイは15日に厚木基地に、19日には横田基地に降り立ちました。台風8号から関東へ避難する件は結局中止されましたが、関東への飛来は相次いでおり、28日には小笠原諸島の父島に向かうためにオスプレイがまたやって来ます。
15日の厚木への飛来は富士演習場へ移動する際の中継として行われました。これはオスプレイの前任機CH-46ヘリコプターでも行われていたことで、今後も定期的に行われることになります。CH-46ヘリコプターは航続力が短く速度が遅いため、関東に向かう場合は経路の途中の空港に頻繁に給油で降りなければならず、休憩と合わせて実質的に二日がかりの移動でした。これが航続力が長く速度も速いオスプレイならば、普天間基地から数時間で厚木にやって来ることができます。
19日の移動は北海道の札幌で行われた航空イベントに参加するため、28日は小笠原諸島の父島に移動するためですから、これは航続力の関係で前任機のCH-46ヘリコプターでは実施することは難しいか不可能な移動です。航続力の高いオスプレイならではの移動だと言えるでしょう。オスプレイの航続力ならば中継点を入れることなく沖縄から札幌へ直接行くことも可能でしたが、余裕を見て横田基地に降りています。なお空中給油機は大型で飛ばす経費がオスプレイより高額になるため、特に必要がない限りは使われません。
また台風から避難することは今後とも行われることになります。台風からの避難はオスプレイに限らず他の軍用機でも行われています。沖縄の基地に台風が来た場合、格納庫に入れて風雨を凌ぐのですが、すべての機体でそうしてしまうと有事の際に対応できなくなります。だから一部の機体を別の基地に移しておくのです。
これからは「沖縄の負担を減らすためにオスプレイの訓練の一部を本土で引き受ける」事になります。前任機のCH-46ヘリコプターは航続力が短いので頻繁に本土で訓練することは出来ませんでしたが、今は新型機オスプレイに切り替わっており、ヘリコプターの航続力を大きく上回るティルトローターの利点を生かして、日本本土あるいは海外(フィリピン、タイ、テニアンで既に実施済み)へ訓練を移転していく事になります。