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【奈良市】江戸時代へタイムスリップ!?古い町家だけど新しい、ならまち有数の憩いの家を紹介

モチWebライター・地域情報発信ライター(奈良市)

こんにちは、奈良を愛する地域情報発信者のモチです!

奈良県民であれば誰もが知る観光スポットならまち。そのならまちエリアに入場料無料の憩いの場所があることはご存じでしょうか?

施設の名前は聞いたことがあるかもしれませんが、「ならまち格子の家」という町家がならまちにはあります。

ならまち格子の家は古い町家を保存したものではなく、ならまちの伝統的な町家を「再現」したことに大きな特徴があります。

この建物は平成4年(1992年)に、当時の江戸時代末期から明治時代の町家をイメージして新築されたもので、現代的だけどどこか伝統を感じる非常に魅力的な施設です。

ならまち格子の家は近鉄奈良駅から徒歩15分のところにあり、ならまち散歩の休憩場所としてもとても適しています。

外見の建物はきれいですが、なぜか歴史を感じさせてくれます。気になる町家の中はどうなっているのか、見てみましょう!

町家は英知の結晶

ならまち格子の家に限らず町家を見たことがある人はわかるかと思いますが、町家は間口がとても狭く奥行きがあるのが特徴的です。

その理由は、当時の税金は家の奥行きに関係なく、間口の広さに応じてかけられたからです。

それを再現したならまち格子の家も間口は狭かったですが、奥行きや高さはかなりありました!!

外観からは想像できないくらいの開放感がありませんか?

玄関に入ってすぐ驚いてしまった私ですが、ならまち格子の家のすごさはこれだけにとどまりません。

ならまち格子の家には3つの間があります。

  • みせの間
  • 中の間
  • 奥の間

どの部屋も非常に魅力的で素晴らしいものだったので、紹介をさせて頂きます!!

玄関入ってすぐに目の前に現れるのは「みせの間」です。

みせの間は商談・接客に利用される部屋です。鹿の絵が非常に趣きがあって、つい目を奪われてしまいました。

次は「中の間」です。

中の間、そして奥の間は食事のための居間、または寝室として多く利用されることが多かったようです。

町家をより広くするための工夫として、階段に収納スペースを作っていたところにとても心を動かされました。

上記写真も中の間ですが、部屋の右側には当時の奈良茶碗が展示されており、その時代の人たちの暮らしをイメージさせる演出に粋を感じました。

奥の間に行くまでの途中に、風情のある「中庭」を通っていきます。

三室一列にした町家の構造が、家をより味わい深いものにしているのがおわかり頂けるかと思います。

庭を見ていると体だけでなく心も癒される、まさにならまちにふさわしい最高の憩いの場だと実感しました。

奥の間」に到着です。

奥の間は余分なものを置いていないのか、どの間よりも広くて開放感がありました!!

部屋の中に飾られているのは、町家の歴史や格子の家についてのガイドです。

これらを読み、歴史の深みと町家の魅力をより堪能することができました。

奥の間から見える庭の景色はもう言葉では上手く表せないほど感慨深いものがありました!

正面に見える白い建物は蔵です。あんな小さな間口からこんな大きな建物があるなんて全く想像できませんでした。

細長い建物にすることで、町家を大きく見せる知恵にただただ脱帽しかありません。町家はまさに英知の結晶にふさわしい建物だと痛感しました。

2つの時代の夢のコラボ

ならまち格子の家には2階があります。

江戸時代では大名行列の際に武士を見下ろしてはいけないという理由で、2階部分のない家がほとんどでした。

しかし、明治時代になって大名行列がなくなり、2階を部分を建てる家が増えてきました。つまり、ならまち格子の家は江戸時代と明治時代両方の特徴を凝縮させた夢のコラボハウスというわけです。

このようなコラボはなかなかお目にかかれないので、気になる2階を見てみましょう!

昔の時代の階段は急なイメージがありますが、箱階段のつくりのおかげかそこまでの勾配さはありませんでした。

2階に到着です!! 

当時の時代はここを物置にしていたのか、そこまで高さはありませんでした。しかし、みせ間と中間を合わせただけあって、2階の部屋の広さはかなりのものでした。

物をたくさんおいても、まだパーティーなどのイベントができるくらいのスペースは余裕であるかと思います。

日も差し込んできて、今の時代でも全然問題なく住めそうなとても魅力的な家だと私は強く感じました。

ならまち格子の家を熱く語り過ぎてしまいましたが、いかがだったでしょうか?

モダンな施設ですが昔の歴史を感じさせてくれる、奈良にぴったりの憩いの場だと共感して頂ければ大変うれしく思います。

ならまち散歩で疲れた、そんな時はここを憩いの休憩場所としてフル活用して下さい。きっと体だけでなく、心も癒されること間違いなしです!!

ならまち格子の家
所在地:奈良市元興寺町44番地
開館時間:9:00~17:00
休館日:月曜日(その日が休日の時はその翌日)
休日の翌日(その日が日曜日、土曜日及び休日に当たるときを除く)
年末年始(12月26日~1月5日)
入場料:無料
交通:近鉄奈良駅、JR奈良駅より市内循環バス約15分『田中町』下車徒歩2分

Webライター・地域情報発信ライター(奈良市)

静岡県富士宮市出身→結婚を機に奈良に移住→奈良の魅力にはまる→奈良市の地域ライターになる。あなたの知らない奈良の情報をお届けします。公式サイトではよりマニアックな奈良の世界を紹介しております!

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