アラフィフ男性がデザートだけの注文を拒否されて波紋! レストランと客のどちらが悪い?
飲食店でデザートだけを注文
飲食店でデザートだけをオーダーしたことはありますか。
少し前に、Threadsでデザート注文に関する投稿が波紋を呼びました。投稿者のプロフィールを確認すると、アラフィフの男性ということです。
投稿では「レストランKIHACHI」に訪れたとありますが、文面から推測するに「キハチ イタリアン 伊勢丹立川店」のことでしょう。投稿者は「ダブルメロンパイ」を食べるため、昼過ぎに同店を訪れます。
ちなみに、デザートの正式名称は「KIHACHIのダブルメロンパイ」で、青肉メロンと赤肉メロンが用いられていることが“ダブル”たる所以。晩春から初夏にかけて販売されていたミルフィーユで、アシェットデセール=皿盛りデザートに仕上げられています。
スタッフに注文しようとすると、デザートは単品で提供していないといわれます。そのため、他のデザートと共にオーダーしようとしますが、料理ではないからと受け付けてもらえません。
投稿者はスタッフにいわれた言葉に気分を害し、オーダーせずに退店します。大きなポスターがあったので、単品で注文できないとは思わなかったといいます。
ただ実際のところ、ポスターには食事とともに注文することが記載されていました。公式サイトにも食後のデザートとして楽しむことが記載されています。
現在は「非公開プロフィール」となっているので、これらの投稿を見ることはできません。
キハチとは
投稿者が訪れた「キハチ イタリアン 伊勢丹立川店」はどのような店でしょうか。
キハチ(KIHACHI)は、黄綬褒章を受章した料理人である熊谷喜八氏が創業し、現在はサザビーリーグによって運営されています。
レストラン、カフェ、パティスリーがあり、レストランは「キハチ」「キハチ イタリアン」、カフェは「キハチ カフェ」、パティスリーは「パティスリー キハチ」というブランドを展開。いずれの業態も、知名度と人気度が高いといえるでしょう。
レストランのこだわりは、素材を活かし、オープンキッチンでゲストとの距離を縮め、フレンチベースの自由な発想の料理を提供することです。
カフェ、パティスリーと業態がしっかりとわかれており、“カフェレストラン”や“レストラン&カフェ”ではなく、“レストラン”と謳われていることからも、「キハチ」および「キハチ イタリアン」は、食事を中心に楽しむ業態であることが窺えます。デザートやドリンクだけを楽しみたい人には、カフェの利用を促すことでしょう。
レストランの経営
レストランは通常、デザートレストランを除き、料理をメインとして経営されています。1人あたり、料理はコースやセット、もしくは、アラカルト2品から4品、ドリンクは2杯から3杯を想定して、客単価が設定されているのです。
ランチであれば、1品だけで完結するワンプレートメニューが用意されていることもありますが、ほとんどの場合ディナーでは手軽なメニューはありません。
「キハチ イタリアン」では、アラカルトもオーダーできますが、ディナーでもランチでもコースが中心になっており、ワインもリコメンドされています。平日14時からはアフタヌーンティーも提供されていますが、ランチとディナーの間はしっかりクローズしており、あくまでもアイドルタイムの販促といった方針です。
このようなメニュー形態を鑑みれば、料理が主役であり、できればお酒と一緒に楽しんでもらいたいということがわかります。したがって、デザート単品というのはもちろん、料理を注文しない利用方法が、歓迎されないのは仕方がありません。
客に恥をかかせない
客が店を選べるように、店も客を選べます。つまり、店は自身でルールを定め、来てもらいたい客にだけ来てもらうことができるということです。
そのため、好まない方法で利用する客を拒否すること自体は問題ありません。ただ、サービス業であるからには、客に恥をかかせないような配慮は期待したいものです。
店頭でデザートを目玉として大きく宣伝すれば、レストランという業態をよく理解していない人に、単品でデザートをオーダーできると勘違いされることはあるでしょう。
トライしてみる
件の投稿者が、デザートだけを食べたかった希望が叶えられなかったのは残念だったかもしれません。しかし、客と店との出合いは一期一会です。せっかく訪れたのであれば、食べたかったデザートとともに、料理も一品くらいオーダーして、どちらとも楽しんでみてもよかったのではないでしょうか。
デザートを単品だけ食べた場合と、料理の後にデザートを食べた場合とでは、味の感じ方も違います。そのレストランのコンセプトにしたがってデザートも考案されているので、料理との相性もよいでしょう。どの料理を合わせようかと頭を悩ませるのもひとつの楽しみ方です。
レストランに訪れた際には、予想外のことが起きても、それを新たな体験としてトライしてみるのも一興かと感じます。