任天堂、ついに動画、静止画、全面投稿解禁宣言!#著作権侵害を主張いたしません
KNNポール神田です。
■『著作権侵害を主張いたしません』という全面投稿解禁宣言!
ついに、任天堂が、『著作権侵害を主張いたしません』という実質的な全面投稿解禁宣言をおこなった。同時に、「Nintendo Creators Program」を2018年12月末に終了する。これは、オーソライズされた人だけ投稿を可能とし、それ以外の人を排除するという封建的な制度から、誰もが投稿できる。しかし、いつでも迷惑なガイドラインにそぐわない投稿については、法的措置を取れる権利があるという立ち位置へと変わった。
これは、投稿を許諾する範囲を申請型からオープンにし、まずいものにだけに対応すればいいという対応を意味させる。
twitterにもポストされているように、投稿を黙認し、まずければ対応するということのほうがオペレーションも簡単になるだろう。
■『共有されるという価値』を重要視
任天堂の収益の源泉は、なんといってもゲームソフトやハードウェアを購買する『お客様』だ。そして、購買するお客様たちが何で購買を決定するのかという指標が、かつてとは大きく変化している状況が任天堂にこの決断をさせたのだ。かつては、テレビCMや、ゲーム雑誌のレビューなど任天堂が完全とは言わないまでも、コントロール可能な媒体からの認知が購買のきっかけであった。
しかし、ゲーム実況やSNSでの評判、動画においての攻略ビデオなどの視聴による追尾体験による『認知』の占める場面がふえてきたからだ。つまり、『共有されるという価値』を任天堂が認めざるを得なくなったことを表している。
■任天堂の『二次創作』プラットフォーマーへの想い
任天堂は、ジャニーズ事務所と同様、親が安心して子供たちに、託せることができる『企業ブランド』のひとつだ。それは親世代だけでなく祖父母世代から、長年にわたり培われてきた信用によって蓄積された企業ブランドでもある。これは一朝一夕にできるブランドではない。しかも、任天堂は、ゲームのヒットだけでなく、そこから生まれる家族や友達のコミュニケーションを大切にしている企業のひとつだ。このガイドラインにも、『お客様ご自身の創作性やコメントが含まれた動画や静止画が投稿されることを期待』との一節がある。
□任天堂は、Nintendo Switchのキャプチャーボタン等の機能を利用する場合を除いて、お客様ご自身の創作性やコメントが含まれた動画や静止画が投稿されることを期待しております。お客様の創作性やコメントが含まれない投稿や任天堂のゲーム著作物のコピーに過ぎない投稿はご遠慮ください。
そして、現在、任天堂のゲームは、買って遊んで終わる時代は終わり、買って遊んで儲けることができる時代へとシフトしている。いわば、メーカーと消費者の関係から、クリエイティブなゲームツールを提供し、それで創作したものでユーザーが収益を挙げられるというプラットフォーマーとしての立場でもあるのだ。
かつては、アーケードのゲームセンターで最高得点を出して、承認欲求を満たしただけだったが、現在はゲーム実況やゲーム投稿の収益化でお小遣いを稼ぐだけでなく、それで食べていけるプロフェッショナルをも生み出す、一大プラットフォームへと成長している。
ゲームで、人よりも、上手に遊べるスキルを持った人は、自分で稼げる自由も獲得しているのかもしれない。