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【10周年】AAAが注目を集める理由 〜企業コラボ/リスナー参加型企画/ライフスタイル提案〜

ふくりゅう音楽コンシェルジュ
AAA

デビュー10周年を迎えたAAAが9月16日(水)に、ベストアルバム『AAA 10th ANNIVERSARY BEST』をリリースする。先行してYouTubeにアップされた50枚目の記念シングル「愛してるのに、愛せない」(ベスト盤にも収録)のミュージックビデオが、AAA史上歴代最速で100万再生を突破しているなど、下半期音楽シーンで大きな話題となっている。

AAAが人気の理由を検証するうえで注目したいのが、NAVERまとめやニュースサイトで話題となった、若者の間で男女複数人グループで集うことをあらわす“AAA状態”なるキーワードだ。そこには、恋愛というテーマを超えた“仲間との友情”という時代性あるキーワードが浮かびあがってくる。

そもそもAAAのメンバーは多才だ。西島隆弘が園子温監督映画『愛のむきだし』(2009年)に主演し話題となり、日高光啓がSKY-HIとして充実なソロ音楽活動やラッパーとしての客演するなど、各メンバーの個性豊かな活動が盛んだ。そこで得た経験はAAAでの活動に活かされている。

この10年で音楽シーンはマス&CDセールス志向から、確実にライブへと価値基準が移り変わった。実はAAAは、デビュー時からテレビの主要音楽番組に出演する事が少なく、代々木公園のストリートから始まった地道なライブ活動でオーディエンスの心をつかみ続けてきた逸材だ。その成長の姿は、まるで漫画『ワンピース』のリアル版のようだとファンの間で称されている。いわゆる、ひとつの目標に向かって、男女を超えた友情物語を感じさせる行動が心をとらえたのだ。

AAAが飛躍したきっかけに、“企業コラボ”というキーワードがある。イトーヨーカドーとの楽曲タイアップ&店頭でのCD展開も注目されていたが、AAAは企業タイアップの使い方が上手だ。必ずひと工夫を加え、参加型施策を取り入れているのがポイントだ。

50枚目のシングル「愛してるのに、愛せない」では、オープンハウス、LIVE DAM STADIUMとの、プロマーシャル(プロモーション+コマーシャルの意)を実施することで発売3週間前からザワザワ感を作った。その後、カラオケの第一興商(DAM)とのキャンペーンで、DAM×AAA 『DAAAM Project』をスタート。メンバーとデュエットできる、史上初カラオケ4バージョン(男声のみ、女声のみ、日高ラップのみ、オリジナル)の同時配信を試み、さらに歌っている画像や動画をTwitterにアップすると、抽選でプレゼントが当たるなど参加型企画を取り入れている。結果、ハッシュタグ“#DAAAM”を検索すればわかるが、メンバーとヴァーチャルに共演ができるとして大きな反響を呼んでいる。

この夏スタートしたLINE MUSICでは「愛してるのに、愛せない」の切り出し配信をスタートしていることも興味深い。スタンプ感覚で友人に楽曲をコミュニケーションしやすいように、歌詞における“愛してる”などのフレーズを楽曲から抜粋してシェアできる史上初の試みなど、音楽を通じた新たな交流を提案している。なお「愛してるのに、愛せない」は、主要サブスクリプション型音楽配信サービスで、2週間先行配信を試みていたことも見逃せない。情報拡散の多様性、それらを刈り取る集束が絶妙なのだ。

ベストアルバム『AAA 10th ANNIVERSARY BEST』で、あらためて注目したいのが2曲目に収録された「ハリケーン・リリ、ボストン・マリ」だ。本作は2006年5月31日にリリースされたシングル曲だが、実は作詞作曲を真島昌利(THE BLUE HEARTS、↑THE HIGH-LOWS↓、ザ・クロマニヨンズ)が手掛けている。せつなくもロックなナンバーは、ライブで一番人気を誇る楽曲へと成長し、ファンの間では欠かせないAAAの代表曲のひとつとなっている。ぜひ、今回のベストアルバムで注目して欲しいナンバーだ。

ユーザー参加型企画は手間がかかる施策だが、ファンの熱量を確実にあげていく。もちろん、そんな施策も楽曲のクオリティーが伴わなければ意味がない。ベストアルバムにも収録される新曲「愛してるのに、愛せない」は、メロディーが心に残る、新鮮で懐かしい90年代テイストを感じさせる歌心あるバラードだ。すでに2O15年下半期を代表するカラオケでも人気なヒットチューンとして注目が集まっている。

9月21日には、スペシャル・ライブ『AAA 10th Anniversary SPECIAL 野外LIVE in 富士急ハイランド』も開催される。すでに9月4日から、富士急のアトラクションともコラボし、「富士急ハイランド」の名前が「富士急AAAハイランド」となり、ジェットコースターの「FUJIYAMA」が「NISHIJIMA」、「ええじゃないか」が「AAAじゃないか」、「高飛車」が「日高飛車」へと、ロゴも同じテイストで改名されているという遊び心ある企業コラボが話題だ。

ライブを軸にした活動と、遊び心ある攻めの企業コラボ。ファンの熱量を高めるリスナー参加型企画、そしてカラオケで歌われるヒット曲「愛してるのに、愛せない」という存在。10周年を迎えベストアルバム『AAA 10th ANNIVERSARY BEST』をリリースするAAAが、2015年下半期のエンタメ・シーンをさらに盛り上げていく事は間違いないだろう。

http://avex.jp/aaa/

音楽コンシェルジュ

happy dragon.LLC 代表 / Yahoo!ニュース、Spotify、fm yokohama、J-WAVE、ビルボードジャパン、ROCKIN’ON JAPANなどで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)布袋寅泰、DREAMS COME TRUE、TM NETWORKのツアーパンフ執筆。SMAP公式タブロイド風新聞、『別冊カドカワ 布袋寅泰』、『小室哲哉ぴあ TM編&TK編、globe編』、『氷室京介ぴあ』、『ケツメイシぴあ』など

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