北朝鮮の男女8人が「陸の孤島」でふけった禁断の行為
北朝鮮版の「紅衛兵」とも言われる3大革命小組。工場や農村などに送り込まれ、技術者や支配人などを吊し上げにし、社会の隅々まで革命化するという集団だったが、あまりにも弊害が大きく下火になっていった。
そんな彼らが逆に「吊し上げ」に遭う事件が起きた。革命の浸透を目指す彼らの犯した罪とは?両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。
道内の豊西(プンソ)郡で今月11日、陸の孤島のような山奥の材木場に派遣されていた3大革命小組員が逮捕された。
山越え谷越え奥地中の奥地にあるこの材木場には、1つの作業班に男女7人の作業員が所属しているが、3大革命小組員はそこに派遣され、彼らと同じ釜の飯を食い、時には酒を酌み交わした。
娯楽も何もない山奥で、作業員が楽しみにしていたのは、3大革命小組員がたびたび町から持ち帰るUSBメモリだ。そこには、北朝鮮ではご禁制の韓流映画、ドラマ、K-POPのPVなどが保存されていた。これらを視聴したり流布するのは、反動思想文化排撃法に違反する禁断の行為だ。最高刑は死刑である。
(参考記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面)
あまりの寒さや何らかの問題で木の切り出し作業ができない日に3大革命小組員は、「やらないのではなく、できないのだからしょうがない」として、作業員らと酒を飲みながら、韓流ドラマに夢中になっていた。
このように人里離れたところでは、誰の統制も受けないことから、韓国のテレビを見たりラジオを聞いたりするなど、好き勝手にやっている事例がほかにも報告されている。
しかし、革命を広めるべき3大革命小組が韓流を広めていることがバレれば、大問題になるのは必至だ。「われわれが酒を酌み交わしつつ、南朝鮮(韓国)の映画を見て、南朝鮮の歌を聞いて、自由に楽しんでいることは何があっても秘密にしよう」と口止めをした。
それが、思わぬところから漏れてしまった。
この作業班の実績は常に最下位で、総和(評価)のたびに3大革命小組員は労働者を叱責していたが、うち1人がひどく叱られたことで恨みを抱き、今までやってきたことを一切がっさい、保衛部(秘密警察)に通報してしまったのだ。
両江道反社会主義・非社会主義連合指揮部は、移動打撃隊を動員して、夜中に作業班を急襲して、3大革命小組員と労働者全員を逮捕した。
3大革命小組員は、反動思想文化を助長し、反社会主義・非社会主義思想を流布した容疑で政治犯とされ、保衛部の独房に勾留されている。
この3大革命小組員の出身地、成分(身分)など詳細は不明だが、強力なコネか、事件をもみ消すだけの巨額の資産がない限り、教化所(刑務所)や管理所(政治犯収容所)行きは免れないだろう。また、労働者たちも勾留されている状態だが、彼らに対する処分は今のところ下されていない。