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【名古屋市】ホテルクオリティのパンを気軽に買うことができる街のパン屋さん「BAKERY つむじ風」

羽矢旬良ライター(名古屋市)

住宅街で営業する「BAKERY つむじ風」さんは、特別何かを強くアピールするわけでもなく、自然と近隣に住む人の生活に溶け込んでいる小さなパン屋さんです。

店主は、名古屋市内の老舗ホテルの厨房で、およそ8年間パンを焼いていたホテル仕込のパン職人。

ホテルの厨房に入った当初から将来は自分の店を持ちたいと考えていたそうで、ホテルが提供するハイクオリティのパンを焼き続け、満を持しておよそ3年ほど前に自分のお店をオープンしました。

老舗ホテルのパンは独自の工夫をしていることが多く、美味しいとわざわざ取り寄せる人も多いもの。日本全国からホテルに訪れる人を迎え入れるために提供されるそれは、万人受けするもので、なおかつ高い品質を求められます。

そうした業界出身の職人が焼くパン屋さんが自分の生活圏にあったら、どんなに嬉しいことでしょう。

今回「メロンパン」と「塩パン」を購入して、実際に味わってみました。

最初にいただいた「メロンパン」は、クッキー生地がサクサクで、中のパン生地がしっとりしている筆者の大好きな食感のパンでした。

次にいただいた塩パンも、バターの風味と塩加減のバランスが絶妙でシンプルな中にも深い味わいを感じます。半分は少しトーストして食べてみたのですが、これも表面がパリッ、中はもっちりでかなり美味。

お店のパン、全部食べてみたい。

そして、店主がもう一つこだわっているのは、フードロスを減らすこと。

「仕方ないことですが、日によってどうしても売れ残りがでてしまいます」これをどうするのか。

「翌朝パンを買いに来ていただいた方に"おまけ"として差し上げています。それ以外に、冷凍して名古屋市内の子供食堂に寄付したりしています。もうけには結びつかないことですが、こうした課題に取り組むことも必要だと考えていますし、何より喜んでもらえることが嬉しいから続けています」と店主。

お店にお伺いして店主に取材したいとお願いした時、「自分の店は特徴がないですからねえ」と言われました。生活圏で営業しているお店に求めるものは、必ずしもきわだった特徴だけではないと思います。しいて言えば、普段意識することはなくてもなければ困る空気のような存在でしょうか。いつもと変わらないパンを、いつものクオリティで焼いてくれることのありがたみ。そして、店主の人柄。

「BAKERY つむじ風」さんは、まさにそのような存在と感じるお店でした。

「BAKERY つむじ風」さんでは、今後「マルシェ」などに挑戦してみたい方に、お店のキッチンをレンタルするサービスを始めています。自宅で作ったものを勝手に販売することはできませんが、きちんと許可を受けた場で作ったものは一般に販売することができます。

「これからは、新たに始めようとする人の支援もしていけたらいいなと考えています。店名の『つむじ風』のような小さな流れをつくることから始めて、将来は、いろんな人を巻き込んでみんなが楽しめる大きな場を作ることができればいいと思っています」と店主。

あなたもぜひ、巻き込まれてみませんか?

店舗情報

店名:BAKERY つむじ風
住所:名古屋市中村区鴨付町1-44
TEL:080-3288-0575
営業時間:8:00~18:00(売り切れ次第終了)
定休日:月曜日
公式サイト:外部リンク
公式Instagram

ライター(名古屋市)

名古屋生まれの名古屋育ち、現在は近郊在住。ライトなものからディープなものまで、名古屋のリアルを主観を添えてお伝えします。

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