Yahoo!ニュース

ダンロップの新作「ロードスマートIV」が登場 よりスポーティに操る楽しさが増した!

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
ジャンルの異なる様々な車両に「ロードスマートIV」を装着して試乗した。写真:筆者

妥協することなく理想を追求

ダンロップからモーターサイクル用プレミアムツーリングラジアルタイヤ「SPORTMAX ROADSMART IV」が3月1日から発売される。

「続く限り、力走」をコンセプトとした大型バイク用ツーリングタイヤの最新作で、ウェットグリップやロングライフなどの基本性能に加え、軽快なハンドリングや疲れにくさを追求。また「モーターサイクルを操る悦び」という原点に立ち返ったという。

全員が現役ライダーという開発陣が「妥協することなく自分たちの理想を形にした」と語るダンロップの自信作だ。

画像

これを実現するに当たって「4つの“続く性能”」が新たに開発目標とされた。

1.「興奮が、続く」。

プロファイルを最適化するC.T.T技術によってエキサイティングな走りを実現。フロントはやや尖り気味に、リヤを大径化することで初期のレスポンスや旋回性を向上させた。

画像

2.「気持ちが、続く」。

疲労軽減技術「CIPT」による優れた衝撃吸収性によってライダーの疲労を低減することでロングライドを可能に。具体的にはタイヤの構造材であるベルトやカーカスを改良することで、トレッド面およびサイド面も含めたタイヤ全体で吸収することで乗り心地を向上。

画像

3.「走りが、続く」。

「HI SILICA Xコンパウンド」によりウェットグリップと耐摩耗性を向上。シリカ比率を従来から150%高めたことでウォームアップ性やドライグリップだけでなく、特にウェットグリップとライフを大幅に高めている。

<ウエットブレーキ性能比較(イメージ)>

画像

4.「性能が、続く」。

新PCL・偏摩耗抑制パターンにより耐久性を向上。排水性をキープしながらも「細溝化」によるトレッド剛性強化などでこれを実現させた。衝撃を熱に変える高発熱ゴムをさらに進化させることで、ウェットグリップとロングライフを両立しつつ摩耗によるグリップ性能低下も抑えた。

画像

以上のように従来モデルの長所を伸ばしつつ、トータルパフォーマンスを進化させているのが特徴だ。

重量級ツアラー向けにGTスペックを設定

また、ロードスマート4ではグランドツアラーなどの重量車向けに新たに「GTスペック」を追加したことにも注目したい。

内部構造をさらに強化し、リヤ側のカーカスを2プライ構造にするなどアップグレード。重量級マシンにおけるハンドリングや積載安定性が高められている。

走りがよりスポーティに、ちょっと上手くなった感じ

画像

実際に試乗してみた感想だが、路面温度が低い冬場でも乗り始めてすぐに接地感が得られ、従来のロードスマートIIIに比べてもフロントの軽快感が際立っていた。コーナリング中のグリップ感も総じて高いので自信をもって寝かし込んでいけるし、それでいて路面との当たりはソフトでしっとり感がある。

ハイグリップ系のようなガチッとした剛性感や粘り付くようなグリップ感ではないが、主張が強すぎない分扱いやすく距離を伸ばしても疲れにくい感じがした。また、GTスペックはワンランク上のサスペンションに交換したようなグレード感があり、重量級グランドツアラーでよりスポーティな走りを楽しめるキャラになっていた。

ライディングがちょっと上手くなったような気持ち良さを与えてくれる、新世代のスポーツツーリングタイヤだ。

※原文より筆者自身が加筆修正しています。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

佐川健太郎の最近の記事