NY金18日:投機買いが膨らみ小幅続伸、ドル相場は反発
COMEX金6月限 前日比比2.30ドル高
始値 1,222.80ドル
高値 1,232.00ドル
安値 1,221.20ドル
終値 1,227.60ドル
特に目新しい材料は見当たらなかったが、投機的な買いが膨らんだことで小幅続伸した。
アジアタイム序盤は1,222~1,226ドルのレンジで揉み合う展開になったが、欧州タイム入りの直前にまとまった買いが入り、一気に1,230ドル台まで値位置を切り上げた。この時間帯に他マーケットは目立った動きが見当たらず、特に金価格を押し上げる必要性は見られなかった。ただ、投機筋がまとまった買いを入れる中、前日の堅調地合を引き継ぐ展開になっている。もっとも、本日の為替相場はドル高気味に推移したことで、一段と上値を試すような動きは見られなかった。ニューヨークタイムは上げ幅を削る展開となり、概ねアジアタイムの取引価格を若干上回る水準まで戻して引けている。
本日の為替市場では、米経済に対して楽観的な見方が広がったことが、ドル相場の反発を招いた。前週発表された米指標は低調な内容のものが目立ったが、今週発表される住宅や製造業関連の指標は、利上げを正当化するとの楽観ムードが優勢に。もっとも、具体的な根拠のあるものではなく、引き続き米指標から利上げ着手までの距離感を探る展開が続く見通し。本日は特に注目度の高い経済指標の発表などがなく、ドル高については単純なポジション調整との解釈も可能。
金上場投資信託(ETF)市場における売却圧力の高まり、上海黄金交易所における純金売買高の減少といったネガティブ材料も見られるが、金価格のピークアウトには再び利上げ期待を高めていくようなイベントが要求される。基調判断としてはダウントレンドにおける一時的な修正圧力との評価だが、ドル安に逆行してまで大きく下げるエネルギーはない。20日に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(4月28~29日開催分)で、米経済と利上げに対する信認を取り戻せるのかが問われている相場になる。