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親子で五輪代表。元2階級制覇の世界チャンプの息子がプロ入り

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Top Rank社からメディアに配布された案内

 パリ五輪に出場したファンミータ・ロペス・デ・ヘスースが、ボブ・アラム率いるTop Rank社との契約を締結した。2025年上旬にスーパーフライ級でデビューする予定だという。9月25日、正式に発表された。

 18歳のファンミータはWBOスーパーバンタム、同フェザーの2階級を制したファン・マヌエル・ロペスの息子である。父もまた、2000年代から2010年代初期にアラムの下でファイトを重ねた。

 アラムは語った。

 「ロペスはプエルトリコが生んだ偉大なチャンピオンの一人。ファンミータを我がTop Rankファミリーの一員に迎えることができ、非常に嬉しく思う。ファンミータは類い稀な才能の持ち主で、リング上で優れた能力を発揮するだろう。そして格闘王国プエルトリコで、父親のように多くの世界戦を行うことになると思う」

写真:ロイター/アフロ

 将来を期待される18歳も言った。

 「父の足跡を共に追いかけるという、素晴らしい機会を与えてくれたTop Rankと神に感謝します。これは本当に特別なことの始まりです。プエルトリコの皆さんのサポートにもお礼を述べます。情熱を持ち、己の人生を捧げるつもりで挑む旅に乗り出します。今、とても興奮しています。成功に向かい、自分自身の物語を創るために全力を尽くしますよ。その準備は万端です」

 父も2004年アテネ五輪の代表選手であり、プエルトリコのボクシング界では初の親子オリンピアンである。

2階級制覇の父(右)
2階級制覇の父(右)写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 10代からアマチュアとして輝かしい成績を収めたファンミータは、2022年にIBAユース世界選手権で準決勝に進出。翌年にはプエルトリコ選手権で優勝を飾った。父親が2004年のアテネオリンピックに出場してから20年後、彼は最年少選手としてパリ​​五輪に挑んだ。フライ級で出場し、初戦で判定負けして姿を消したが、相手は金メダルを獲得した選手だった。

写真:ロイター/アフロ

 父親もまた、五輪では初戦敗退だった。私生活ではトラブルまみれだったが、アテネの借りをプロで果たそうと精進した。息子は、2階級制覇の父に、どこまで迫れるか。超えることができるか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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