ワンサイドだったWBOスーパーフェザー級タイトルマッチに再戦の価値はあったのか
現地時間7日(土)に行われたWBOスーパーフェザー級タイトルマッチ、エマヌエル・ナバレッテvs.オスカー・バルデス戦は、チャンピオンのナバレッテが第6ラウンドKO勝ちで王座を防衛した。
両者は2023年8月12日にも対戦しており、この時もナバレッテが119-109、118-110、116-112のスコアで勝利を収めている。その後、ナバレッテは1階級増量し、空位となったWBOライト級王座決定戦に出場。今年の5月に行われた同ファイトでは、デニス・ベリンチクに判定負けした。その後、同スーパーフェザー級王座を防衛するために130パウンドに戻ってきた。
とはいえ、ナバレッテとバルデスは既に決着がついていたのではなかったか。計量時、そして本番で、チャンピオンのタプタプの腹は嫌でも目に留まった。それでも、両者の差はあまりにも大きく、バルデスは初回、4ラウンド、6ラウンドと3度もダウンした。チャンピオンは挑戦者を歯牙にもかけなかった。
39勝(32KO)2敗1分となった勝者は試合後、バルデスを気遣うように言った。
「各ラウンドでハードワークしなければならなかった。彼が前に出てきたので、下がらせることが大事だったね。実力者であるバルデスに打ち勝つのに、最良の戦い方だった。
私は以前、新しい左の使い方をマスターするだろうと周囲に話していただろう。それを出せたよ。本当に良い気分だ。我がチームは今、新しいステージに上がろうとしている。この左を活用していくよ」
32勝(24KO)3敗となったバルデスも話した。
「我々は精一杯戦いました。それが最も重要なことです。それぞれが、勝利を掴もうとしたのです。僕を見に来てくださった方々、申し訳ありません。
もっと良い結果があれば、と思いますが……。また次回ですね。言い訳はできません。彼は僕を実に巧みに打ち負かしました」
写真を見ればお分かり頂けるように、今回のナバレッテは、自分を追い込むほどのトレーニングは積んでいない。コメントは流石3階級を制した世界王者らしいと唸らせるものだが、簡単に勝利できるバルデスだからこそ、こんな体でリングに上がったのだ。そんな状態でも挑戦者を3度もキャンバスに沈め、圧勝することが出来た。
つまり、注目されたリターンマッチは、ミスマッチに過ぎなかったのである。