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吉田麻也が率いるLAギャラクシーがMLSチャンピオンに!

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 現地時間12月7日(土)、LAギャラクシーのホーム、ディグニティ・ヘルス・スポーツ・パークは超満員の26,812人のファンで埋まった。大声援を背に、ホームの利を生かしたギャラクシーがニューヨーク・レッドブルズに2-1で勝利し、6度目のVを果たした。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 6回の優勝は、MLS(メジャー・リーグ・サッカー)の記録である。とはいえ、ギャラクシーがチャンピオンとなるのは10シーズンぶり。長い道程だった。2017年が西地区11位、2020年が10位、そして昨シーズンはビリ2である13位と”強かったギャラクシー”は、過去のものになりつつあった。

Photo:LA Galaxy  プレイオフのMVPを獲得したガストン・ブルグマン
Photo:LA Galaxy プレイオフのMVPを獲得したガストン・ブルグマン

 今シーズンは補強が功を奏し、ディグニティ・ヘルス・スポーツ・パークで行われたファイナルまでの20試合でギャラクシーは16勝0敗4分と、無敗記録を更新していた。そんなアドバンテージがあったものの、エースである背番号10のリキ・プッチが地区ファイナルで左膝の前十字靱帯断裂(ACL)し、最終戦の欠場を余儀なくされた。

セリエAで活躍した後、2022年からギャラクシーの一員となったブルグマン
セリエAで活躍した後、2022年からギャラクシーの一員となったブルグマン写真:Maurizio Borsari/アフロ

 プッチの穴を埋めたのは、ウルグアイ人MFのガストン・ブルグマンだった。9分、背番号5を着けたブルグマンからの絶妙なスルーパスに反応したガーナ代表のジョセフ・ペイントシルがノートラップで蹴り込んで先制。4分後にも中盤でボールを受けたセルビア人ストライカー、デヤン・ヨヴェリッチがペナルティーエリアまでドリブルし、左足でゴール。ディグニティ・ヘルス・スポーツ・パークは沸きに沸いた。

Photo:LA Galaxy
Photo:LA Galaxy

 28分にレッドブルにコーナーキックを与えた後、こぼれ球を決められたが、その後の攻撃は死守した。ポストシーズンにおける最多得点となる18ゴールを積み上げ、ホームでの無敗記録をさらにプラスしての(21試合中17勝0敗4分)優勝だ。

山根視来
山根視来写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 正直なところ、同点弾を決められていてもおかしくないシーンもあった。窮地を救ったのは勿論、ギャラクシー全員だったが、最後尾からチームを率いる吉田麻也のキャプテンシーが光った。また、背番号2のライトバック、山根視来も攻守ともに効いていた。10番を欠いても勢いを失わなかった層の厚さは、チャンピオンに相応しいものだった。

Photo:LA Galaxy
Photo:LA Galaxy

 大黒柱のプッチは来季、ピッチに戻れるかどうか分からない。地元のライバルLAFCも巻き返しを図るだろう。これからは追われる立場だ。主将である吉田麻也の手腕に注目したい。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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