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尹大統領の背後に「占い師」が! お告げで政治を?

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
占い師・イ・チョンゴン氏(チョン・ゴンユーチューブチャンネルからキャプチャー)

 大統領選挙期間中に尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領候補の陣営で活動していたいわゆる巫俗の「乾真法師」として知られている易者、チョン・ソンベ氏が検察に2018年の地方選挙で某候補から億ウォン単位の不法政治資金を授受した容疑で今朝、逮捕された。

 チョン容疑者は尹大統領が検察総長時代から政治などについて様々な助言をしていたことで知られている人物である。

 検察はチョン容疑者の逮捕と尹大統領との戒厳令布告とは関係がないと説明しているが、チョン容疑者は大統領選挙時には選挙対策本部傘下の「ネットワーク本部」と呼ばれる組織で活動し、尹大統領が遊説する際には度々同行していたことで知られている。当時、尹大統領候補がソウルの選対本部事務室を訪問した時にチョン容疑者が案内している場面が写っている映像が流れ、対立陣営から問題にされたこともあった。

 チョン容疑者は尹大統領の夫人、金建希(キム・ゴンヒ)氏が経営していたインテリア関連会社「コバナコンテンツ」の「顧問」の肩書も持っていた。チョン容疑者は大統領夫妻との親交を誇示し、利権をあさっていたとの疑惑が早くから提起されていた。

 この件とは別に尹大統領夫妻の身の上相談役と噂されている占い師(イ・チョンゴン)が今朝、自身のユーチューブに登場し、弾劾された尹大統領を正面から擁護する発言というか、占いを行い、話題を攫っている。

 白衣をまとった占い師は「尹大統領は天が授けた大統領である」とか「天は尹大統領に世界の力を結集してくれるだろう」とか、「尹大統領は天の助けで状況を反転することができる」と述べ、尹大統領を持ち上げ、励ましていた。

 韓国には易者や女性のムーダンなど占い師のお告げ(シャーマニズム)に依存する政治家が多いが、尹大統領も金夫人の影響を受け、占いに凝っているものとみられている。尹大統領が大統領選挙期間中に左手の手の平にゲンを担ぎ「王」の字を書いて出てきて対立候補から「お告げで政治をしているのか」と批判されたことがあった。

 また、大統領府を鐘路区の北岳山の麓から竜山に移したのも「方角が悪い」との占い師の忠言に基づいていると早くから言われていた。

 非常戒厳令が失敗した尹大統領は12日に国民に向けて「私の任期を含め今後の政局安定方策はわが党に一任する。法的、政治的責任問題を回避しない」と「謝罪談話」を出していたが、5日後には一転、「非常戒厳令の宣布は統治行為である。司法審査対象にはならない。内乱とみなせば、憲法を危機にさらすことになる。私を弾劾しようが、捜査しようが、堂々と受けて立つ」と30分にわたって強気な発言に転じたのはもしかしてこの占い師の「助言」かもしれない。

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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