マイルを貯めるのは実は損?普段飛行機に乗らないマイラーがマイル活動に向いていないワケ
ANAやJALなどの航空会社のマイル(マイレージ)。一定ポイント(マイル)を貯めると、特典航空券という無料航空券に交換できます。
この交換レートが良く見えるため、これからポイントを貯めて得したいという方でマイル中心のポイ活(ポイント活動)を始めてしまう方が少なくありません。
ただ、数あるポイントの中でも『マイル』は実はかなりクセの強い部類です。貯めてみたけど失敗したという方が後を絶たないポイントです。今回は特に、普段からよく飛行機に乗っているわけじゃないけど、ポイ活するならマイルを貯めて特典航空券でお特に旅行するぞ!と考えている人向けに、知っておきたい注意点を紹介します。
実はANAマイル、JALマイルはかなりクセが強い
理由は以下の通りです。
- 他社ポイント→マイルに対してマイル→他社ポイントの交換レートが悪い
- 有効期限がある(各3年)
- マイルを使った予約枠には制約がある
という点です。
他社ポイント→マイルに対してマイル→他社ポイントの交換レートが悪い
一方でマイルの利用価値は特典航空券を除くとレートが悪いです。
他社ポイントからマイルへの交換は一般的な交換ルートだと「2円→1マイル」くらいが相場です。つまり1マイルの金銭的価格(交換時)は2円程度ということになるわけです。
一方でマイルを特典航空券などの飛行機以外で利用しようとした場合、マイルの価値は原則として「1マイル→1円以下」となってしまいます。つまり、マイルは飛行機に乗る以外の用途としてはその価値が大きく下がってしまうわけです。
つまり、マイルを貯めるときは無料航空券(特典航空券)との交換の道を取ると、損をするということになります。貯め始めてのマイラー活動からの途中下車が難しいということです。
マイルには有効期限がある(ANAマイル/JALマイル)
まず、原則として獲得から3年(36カ月)です。つまり、必要なマイル数を最低でも3年でためる必要がある。というわけです。
必要マイル数は旅程や時期によって異なりますが、数千マイル~数万マイルは必要です。多くの人が目標とする特典航空券(無料航空券)なら最低でも1万マイル以上は欲しいところです。
ちなみに1万マイル獲得を飛行機登場によらずクレジットカード(ANAカードやJALカード)だけでためるとすれば1%還元だと考えて逆算すると100万円(年間33万円)ほどが必要になる計算です。これが最低ラインです。
となれば、これをANAの一般的なクレジットカードで決済だけでためるには1%還元として最低でも3年で百万円の決済(年間で33万円ほど)が必要になります。
つまり、飛行機に乗らない人がマイラーになるには、クレカでそこそこの年間決済額が求められる=そうじゃないと期限内にマイルを貯めることができないということになるわけです。
ざっくり年間に100万円くらいはカード決済する前提がないとクレカでマイルを貯めて無料旅行は厳しいと思います。
マイルを使った予約枠には制約がある
実はマイルを使った予約というのは通常の座席予約とは違い枠に限りがあります。普通に予約するなら空席アリでもマイルを使った予約は満席というケースがざらです。
特にお盆や正月、春休み、ゴールデンウイークなどの長期休暇のタイミングだと予約をするのは至難の業です。しかも家族連れで予約数が多いとさらにハードルは高くなります。
特に国際線特典航空券、さらにビジネスクラスやファーストクラスのようなマイルで利用する価値が高い座席はさらに厳しい争奪戦となっています。これ意外と知らない方も多いと思います。実はマイルを使った席予約の枠は決して大きくありません。沢山飛行機にのっているいわゆる上級会員については枠が少し広いようですが、たまにしか乗らない陸マイラー(一般会員)への開放枠は限られています。
つまり何が言いたいかというと、特典航空券を利用するなら以下のような旅行が組める人でなければいけないわけです。
- 1年後といった先の長期の旅行スケジュールを立てられる(それでもハワイ路線など人気路線は競争が激しいです)
- 繁忙期以外で旅行にいける(平日、連休以外)
ちなみに、今はOKでも、結婚したり、子供ができたり、子供が進学したりといった家庭環境の変化で旅行のしやすさや自由度は大きく変わります。この辺りも想定しておきたいところです。
全く飛ばない人にとって、陸マイラー活動はハードルが高い
と、こんな感じでANAマイルやJALマイルといったマイルをクレジットカードなどでためて旅行に行くというのはポイント活動の中でもやや向き不向きがあります。
飛行機に乗らずにマイルを貯めるいわゆる「陸マイラー」として活動を否定するわけではありませんが、陸マイラーとしてうまくやっている人って何だかんだだで最終的には陸マイラーじゃなくてちゃんと飛ぶマイラーさんになっている印象があります。
始めて本格的にポイントを貯めていこうというのであれば、最初からマイルに行くよりも、いわゆる共通ポイント(Vポイント、dポイント、Pontaポイント、楽天ポイント)などの、ためやすいだけでなく出口(使い道)が広いポイントで始めてみることをお勧めします。
ちなみに、こうした共通ポイントからでもポイント交換を通じてマイルにできます。最初から出口を絞ったポイ活よりは出口に余裕を持たせたポイ活から始めてみましょう。
ポイントの出口を考えたポイント交換方法については、私のブログ記事になりますが「貯めるべきポイントの選び方。ポイント交換や利用で価値が高まるものを貯めよう」なんかも参考になるかもしれません。
一方で、明確に貯める意識を持てばマイルのポイント価値は高い
デメリットを中心に述べましたが、ANAマイル、JALマイルなどのマイルはしっかりと貯める意識と使い道を考えておけば非常にお得です。
たとえば、我が家ではANAマイルで利用できる「トクたびマイル」というキャンペーンをよく使っています。これは今週末の飛行機予約を特定路線片道3000マイルからとれるというものです。
マイルをためていれば4人家族でも3000マイル×2(往復)×4人=24000マイルあれば飛行機で往復できちゃうわけです。マイルをためておけばこうしたちょっとした旅行でもマイルが使えるわけですね。
マイルは貯めずらいと書きましたが、ポイント交換と組み合わせることで飛躍的に貯めやすくなります。ポイントサイトや他の共通ポイントなどからキャンペーン等を駆使してマイルに交換をすれば年に数千マイル、数万マイルくらいはコツコツと貯めていくことも可能です。
参考記事: ポイント交換でANAマイルを貯める方法 ポイ活と増量キャンペーンのお得なANAマイルの交換ルート
参考記事: JALマイルの価値と上手な貯め方 金融ポイ活でも貯まるJALマイルは使い方も大事
まずは、どちらの航空会社をメインにするのかを考えましょう。貯めやすさもそうですが、今のお住いのエリアの空港から出ている便についても確認しておくと良いです。ANA便が多いのか、JAL便が多いのかといったことも特に地方空港だと確認しておく方が良いです。
筆者について
しょうこちゃん(@showchan82)
ポイ活(ポイント活動)をしながら、それを投資に回すポイ活投資を実践しているポイント投資家。ポイ活というとお特に買い物をする、というイメージが強いかもしれませんが、それだけではなく、貯金や資産運用(資産形成)にも強く役立てることができるんです。ポイントを利用したお得な貯金のやり方や投資術などを実際に自分自身で試しながら日々研究しています。
ブログ:ポイント投資の攻略ブログ
Twitter:@showchan82