ネットと放送の大激戦大晦日のテレビメタファーメディア
KNNポール神田です。
あと数時間で2017年が終わり、2018年がやってくる。
大晦日といえば、紅白歌合戦を家族で集まり、鑑賞しながら、年越しそばを食べるという極めて昭和的な年越しはもう観られなくなった。年越しイベントに出かけ各々のカウントダウンを楽しむ。
17時から、紅白の番組宣伝番組…
NHK紅白歌合戦も17時から、直前スペシャルで番組宣伝が2時間近くも続けられている…。
バラエティ芸人が精一杯の盛り上げに務めるが、少し痛々しい番組宣伝が続いている…。
NHK紅白の本番は19時15分から。
出場歌手の順番もすべて秒単位で決まっている…。
http://www.nhk.or.jp/kouhaku/artist/
民放が裏紅白企画でいろんな番組をぶつけてくるのは昔から続いてるが、AbemaTVの躍進ぶりもさまざまな番組をぶつけている。
19時からは、朝青龍を押し出したら1000万円
Abema Specialでは、「朝青龍を押し出したら1000万円」と題して、4時間半もの特別枠を組んでいる…。
いや、ちょっと待てよ、相撲ルールで、はっけよいしたとしても、たかだか数十秒から長くても1分で決まってしまうのではないか?それを4時間半の番組にどうやって成立させるのかの方が気になる…。
https://abema.tv/channels/abema-special/slots/9h8KvRiQu6g8pw
海外ではネット映画に屋外広告まで
筆者は現在、マレーシアのクアラルンプールに居るが、日本のテレビも、世界のテレビも不自由なく視聴できる。
楽々 TVというサービスでは、関東、関西、CS、BS、合わせて48局もの日本のTVが視聴できる。しかも1週間以内の番組はオンデマンドで視聴できる。しかもスマートフォンやタブレットでも視聴できるのだ。初期登録50RM(1リンギット約28円で1400円) 月間150RM(4200円)のみで日本のテレビが視聴できる。他にもネット経由で世界のテレビ番組が視聴できる中国製のAndroid Boxなどが販売されている。
ロードショーの広告かと思えば…Netflixだった
クアラルンプールの高速道路では、最新映画の交通広告が展開されている。ロードショーの広告かと思えば…それは、Netflixだった。すでに、発展途上国と言われ続けたマレーシアでも、ネットが行き届き、日本よりも規制がゆるやかな状態で、世界の番組にアクセスができてしまうデファクトスタンダードなインフラが勝手に成立している。言語、人種、宗教の枠を越えて、20世紀の王様のテレビメディアのメタファーとして、ネットをバックボーンとして大量に消費されている。
公共放送であるNHKが番組宣伝を繰り返し、国民的番組をみんなで電波だけで視聴するという幻想モードは、もっと新たなチャレンジをおこなわない限り、紅白の視聴率は凋落する一方ではないだろうか?