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米大統領選 勝者を「予想」できるか #専門家のまとめ

山口健太ITジャーナリスト
米大統領選の結果を「賭け」で予想(PolymarketのWebサイトより)

11月の米大統領選は、結果が日本にも多大な影響を及ぼすことが予想されます。最近は新NISAなどで米国株の注目度が高まっており、「他人事」ではない人も多いのではないでしょうか。その予想サイトとして「Polymarket(ポリマーケット)」が注目されています。

ココがポイント

▼Polymarketはブロックチェーンのポリゴン(Polygon)を利用。米国発だが、米国内からはアクセスできないという

米大統領選で注目の予測サイト「Polymarket」を生んだ26歳の起業家(Forbes JAPAN)

▼7月13日にトランプ氏の銃撃事件が発生した直後、Polymarketが示す当選確率は70%まで急騰した

トランプ氏の当選確率、銃撃事件の後に予測市場で過去最高まで上昇(CoinDesk JAPAN)

掛け金は8月1日時点で4億4900万ドルを超えていた(8月31日現在は7億7200万ドル以上)

米大統領選の予測市場を解説|Polymarket(ポリマーケット)の使い方(CoinPost)

金融機関などが利用するブルームバーグ端末にも、米大統領選についてのPolymarketのデータが追加されたという

Bloomberg adding Polymarket election data to Terminal(Cointelegraph)

エキスパートの補足・見解

一般に、世の中で実施される調査では、いつ、誰に、どのような聞き方をするかで結果に偏りが出てきます。たとえばメディアによる調査では、そのメディアの論調を好む読者の意向が表れがちです。

Polymarketの特徴としては、米国内からのアクセスができず、VPNのような手段を用いる必要があるため、必ずしも米国の有権者だけが参加しているわけではない点に注意が必要です。

一方で、世界中からお金を賭けられる点は注目に値します。もしPolymarketの数字が事実と乖離すれば裁定の機会が生じることになり、参加者が十分に多ければ、あらゆる情報を織り込んだ数字に落ち着くことを期待できるからです。

また、米大統領選では民主党優勢の「青い州」、共和党優勢の「赤い州」は固定化する傾向にあり、どちらが取るか分からない流動的な州(スイングステート)が勝負の鍵を握るとされています。Polymarketではその州ごとの数字が見えるのも興味深い点です。

スイングステートでは州ごとの予想も(PolymarketのWebサイトより)
スイングステートでは州ごとの予想も(PolymarketのWebサイトより)

7月に発生した銃撃事件の直後はドナルド・トランプ氏の当選確率が70%に急騰し、ほぼ決まりという空気になったこともありました。しかしカマラ・ハリス氏が候補になってからは、50%を上回る場面もあり、接戦が続いています。11月5日の投票まで、引き続き数字の変化に注目です。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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