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ウクライナ政府、攻撃用・監視用ドローン1700機以上を最前線へ:AI搭載ドローンで効率的な攻撃も

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

副首相「ウクライナでのドローン生産の拡大も」

2023年7月にウクライナでデジタル改革大臣も担当しているミハイロ・フェドロフ副首相が戦場の最前線に攻撃ドローン、監視ドローン合わせて1700機以上を送ることを明らかにした。1700機以上のドローンの並ぶ前で撮影されたショート動画の中で副首相は「ドローンは戦場の兵士の命を守ります。ドローンのおかげでウクライナ軍の攻撃をより精確に行うことができるようになります。ロシア軍を滅ぼすために引き続きウクライナ政府はドローンに注力していきます。ウクライナでのウクライナ製のドローンの製造を拡大していきます。リーダーシップと技術力によって勝利に導かれます。ウクライナに栄光あれ!」と語っていた。

また今回、戦場に送られるドローンの中にはAI技術が搭載されたドローンもあり、AI搭載ドローンによって効率的にロシア軍の検知ができるようになり、効率的に攻撃ができるようになる。

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。小型の民生品ドローンに爆弾を搭載して標的に突っ込んでいき爆発する、いわゆる神風ドローンをウクライナ軍もロシア軍も多く使用している。

ドローンは上空の目としても攻撃用として有効活用されている。ウクライナ軍はロシア軍が侵攻した2022年2月からすでにロシア軍のドローンを3900機以上破壊している。ウクライナ軍のドローンがどのくらい破壊されたかは不明だが、攻撃ドローンだけでなく、監視・偵察ドローンも発見されたら、すぐに迎撃されてしまう。戦場ではドローンは何機あっても足りない。今回1700機以上が戦場の最前線に投入されるが、どのくらい持つかは不明だ。

ウクライナ政府は世界中にドローンの提供を呼びかけているし、実際に多くのドローンがウクライナ軍に供与されている。今回副首相はウクライナ自国でウクライナ製のドローンの製造の拡大を宣言していた。ドローンが輸入されてくるのを待っているよりも、自国(ウクライナ)生産されたドローンをすぐにでもウクライナの戦場で使えた方が効率的である。

▼最前線にドローン1700機以上を送ることを宣言する副首相

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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