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『平成』30年間はインターネットの黎明期の歴史だった。そして、20世紀メディア終焉のはじまり

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
History of The Internet 出典:ヤフージャパン

KNNポール神田です。

まもなく平成の30年間の歴史が幕を閉じようとしている。ひとつのメディアが誕生してから本当の姿になるまで30年間はかかる…。そう、インターネットの黎明期から普及期の30年間は平成の時代と共に動いてきた…

『日本のインターネット史』はヤフー・ジャパンの企画ページに残されている。

https://about.yahoo.co.jp/20years/

https://internethistory.yahoo.co.jp/

■メディアが本当の姿になるまでには30年もの時を必要とする

1891年、トーマス・エジソンが『キネトスコープ』を発明した時、現在の『映画』とは似ても似つかぬメディアだった。4年後の1895年にリュミエール兄弟が『映画』の興行ビジネスモデルを発明し、『活動写真』は、ニューメディアとして世界の劇場興行ビジネスを刷新していく…。1927年サウンドトラックのついた『トーキー映画』の登場によって『映画』は現在の姿となった。エジソンの発明から36年間経過してからだ。

1900年、エジソンの研究所で働いていたカナダの電気技術者レジナルド・フェッセンデンが、『ラジオ』を発明。20年後の1920年、アメリカ・ペンシルベニア州ピッツバーグのKDKA局が世界初の公共放送を開始、1922年頃 ラジオのCMビジネスモデルが誕生する。電気機器メーカーのRCAが1926年に放送専門会社として”NBC”という子会社を設立し、ラジオのデバイスハードウエアとメディアが成立するまでに26年もの時間を要した。

新しい『メディア』の登場は、当初の発明とは、まったくちがった形の形状で進化し、全く別物のビジネスモデルで成長していく。

日本の『平成』の30年間は、いわば、インターネット誕生黎明期の歴史と一緒だった。

■メディアの変遷がすすんだ『平成』

20世紀メディアが成長し続けた『昭和』の時代。

そして『平成』の時代は、インターネットを育みながらも、20世紀のマスメディアの、新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、映画などのメディアが大きく変遷してきた時代であったともいえる。特に、『スマートフォン』普及からは、インターネットのモバイルシフトで、いつでもどこでも、どんな人にでもの『ユビキタス』の洗礼を受けた。

もはや、紙の新聞や雑誌の購読者は激減するが、ネットの広告市場はテレビの広告を追い抜く寸前にまできた。また、CDなどのフィジカルパッケージも売れない。しかしライブは好調。新聞、雑誌の情報はいるが、紙の媒体は不要になった。音楽も同様にサブスクリプションやデジタル配信では愛用している。車も家もシェアするスタイル、買う前にいくらで売れるかをフリマアプリで確認。株もビットコインも保険もすべてネットで解決。食材もネットで注文、夕方にはコンビニに届く。キャッシュレス化でATMを使う頻度が減る。

購買スタイルも行動スタイルも消費スタイル、生活スタイルが、『平成』の時を経て、すべてが『昭和』の時代とは変わった。

『技術革新』と『ビジネスモデル』と『デバイス』そして、『プラットフォーマー』という新たなプレイヤーの登場によって大きく変化ていく。

■『平成』はインターネットの歴史そのもの

米国のインターネットカルチャーから生まれたベンチャー企業がIPOによって、インターネットバブルが生まれる。日本では日本独自のネット文化が誕生していく。日本のインターネットは、米国のインターネット+日本独自の2バイト文化のダブルカルチャーによって、独自の進化をとげてきた。米国の最先端インターネットと独自の解釈と日本文化の融合だった。

産業革命の頃の資本家とはちがい資本力よりも調達力があれば良くなった。より早くユーザーを獲得できるサービスは、一気に生存競争で生き延びる。渋谷『ビットバレー』は、なくなったが、当時の参加プレイヤーたちが、IPOを経て、日本のIT産業を支えているといっても過言ではないだろう。インターネットというゴールドラッシュは、日本にも『ベンチャーキャピタル』という仕事を生みだし、ユニコーン企業となるようなベンチャーを探し続けている。そして、同時にIPO組は新たに投資家となり、ネット事業に還流されるようになった。アイデアと実行力があれば誰もが一攫千金を狙えることを見事に証明したのが、『平成』の時代だ。

■本当のインターネットがわかる『令和』の時代へ

2019年、世界的なインターネットの第一次ブレイクの1995年から、24年を経過してきた2019年の『令和』の時代。

初期インターネットのFAXの代わり、倉庫伝票の代わり、会社案内の代わりのホームページから、インターネット技術は一気に、ビジネスの本丸となった。同時にセキュリティやモラル、炎上などのリスクも増えた。もはやインターネットはリアルと密接にむすびつき『サイバー』ではなく、リアルよりも『リアル社会』を映し出す鏡となった。『ソーシャルメディア』は、もはやメディア以上にメディア力を持ち始めた。検索の神であるGoogleの検索を利用せず、アプリの利用だけで、ソーシャルニュースだけの消費者層も生まれてきた。

平成のブランド神話とバブル、長いゼロ成長時代、インターネットだけが進化してきた。メディアが本当の姿をあらわす期間の30年間は、ビジネスの主役がガラリと入れ替わる、職業決済者のディケイドでもあるのだろう。

IoT、自動運転、AI、シンギュラリティと予測された未来もあるが、まだまだ未知の『メディア』の登場も期待できる。

西暦でしか語られてこなかった、インターネット史を平成の歴史として眺めることによって、新たな未来を予知することができるのかもしれない。

■平成とインターネット史

1981年 昭和56年 ロナルド・レーガン政権

1982年 昭和57年 10月01日『CD』発売 ソニー&フィリップス

1983年 昭和58年

1984年 昭和59年『Macintosh』リリース『JUNET』

1985年 昭和60年『NeXT』創業 『.com』

1986年 昭和61年 販売枚数ベースでCDがLPを追い抜いた。

1987年 昭和62年

1988年 昭和63年『光通信』創業 『WIDEプロジェクト』

1989年 平成元年 ジョージ・ブッシュ政権『CD』売上がレコード抜く/『AOL』『PSINet』

1990年 平成02年 ソフトバンク株式会社 創業

1991年 平成03年 バブル崩壊 /バーナーズ=リー『WWW』リリース

1992年 平成04年 『JUNET協会』『IIJ』

1993年 平成05年 クリントン政権 イリノイ大学『Mosaic』リリース『通信カラオケ』

1994年 平成06年 『amazon』創業『Yahoo!』創業 『Netscape』『インターネットマガジン』Mr.Childrenブーム 小室ブーム

1995年 平成07年 『阪神大震災』『地下鉄サリン』『Windows95』『Netscape』 IPO インターネットブーム

1996年 平成08年 『ホームページ』ブーム『Yahoo』IPO 『YahooJAPAN』

1997年 平成09年 『山一證券』経営破綻 『楽天市場』『あめぞう』『amazon』IPO 『Yahoo JAPAN』IPO

1998年 平成10年 『Google』創業 『クックパッド』『まぐまぐ』

1999年 平成11年 宇多田ヒカル700万枚売上『imode』『2ちゃんねる』

2000年 平成12年 ITバブル崩壊/『AOL TIME WARNER』合併

2001年 平成13年 ブッシュ政権『Yahoo! BB』/ドットコムバブル/『iPod』発売『Wikipedia』

2002年 平成14年 『NetFlix』IPO/『着うた』『ロボット ルンバ』

2003年 平成15年 『iTunes Music Store』

2004年 平成16年 『Google』IPO 『着うたフル』

2005年 平成17年 『YouTube』創業 『音楽配信』ブーム

2006年 平成18年 『Pixer』買収 Disney 『twitter』『facebook』一般公開『ライブドア』ショック

2007年 平成19年 『iPhone』登場 『Apple TV』

2008年 平成20年 リーマンショック 『Airbnb』

2009年 平成21年 バラク・オバマ政権『UBER』 米国『地デジ』

2010年 平成22年 『iPad』発売 『instagram』

2011年 平成23年 『東日本大震災』『スティーブ・ジョブズ』死去『地上波デジタルテレビ』

2012年 平成24年 『Facebook』 IPO

2013年 平成25年 『メルカリ』

2014年 平成26年 『Amazon FireTV』『Amazon Echo』

2015年 平成27年

2016年 平成28年 『熊本地震』『Google Home』

2017年 平成29年 ドナルド・トランプ政権

2018年 平成30年 『Spotify』IPO 『メルカリ』IPO

2019年 令和元年『Lyft』IPO 『UBER』IPO申請 『5G』元年 『LOVOT』発売

2020年 令和02年『東京五輪』『ドバイ万博』

2021年 令和03年 

2022年 令和04年

2023年 令和05年

2024年 令和06年『新札発行』

2025年 令和07年

2026年 令和08年

2027年 令和09年

2028年 令和10年

2029年 令和11年

2030年 令和12年

2031年 令和13年

2032年 令和14年

2033年 令和15年

2034年 令和16年

2035年 令和17年

2036年 令和18年

2037年 令和19年

2038年 令和20年

2039年 令和21年

2040年 令和22年

2041年 令和23年

2042年 令和24年

2043年 令和25年

2044年 令和26年

2045年 令和27年 『シンギュラリティ』時代へ突入

2046年 令和28年

2047年 令和29年

2048年 令和30年

2049年 令和31年

2050年 令和32年

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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