【目黒区】「GENKAI BURGER」がコース料理になり帰ってくる! 7月9日(土)は無料提供
製菓・調理・カフェの専門校「レコールバンタン」が、レストラン「sio」の鳥羽周作シェフを監修に迎え、ハンバーガー店「GENKAI BURGER(ゲンカイバーガー)」を代官山校舎内にオープンさせたのが2022年1月22日(土)。
神戸牛やトリュフ、土佐ジロー卵、北海道産チーズなどの高級食材を使用し、原価981円のものを990円で提供するという衝撃価格で地元の話題をさらいました。
当初2022年3月27日(日)までの期間限定営業の予定でしたが、毎回100名以上が並ぶという大盛況ぶりで、期間を延長して販売したそうです。
その「GENKAI BURGER」が2022年7月9日(土)に、ハンバーガーを楽しむためのコース料理「宮崎マンゴー~GENKAI~サルサバーガーコース」としてリニューアルオープン決定!
しかも、7月9日(土)の1日のみ限定で新メニューを無料で提供するそうです。これはまた、大行列必至となりそうですね。
リニューアルオープンに先駆け、メディア向け試食会に参加してきましたので、詳しくお伝えしたいと思います。
「レコールバンタン」が「GENKAI BURGER」を初めたきっかけとは?
レコールバンタンでは「おいしいだけが、ゴールじゃない」をコンセプトに、技術だけではなく、将来お店を持ちたいと考えている学生たちのために、在学中から独立開業にチャレンジする機会を設けてきました。
「GENKAI BURGER」は、授業の一環として、学生たち自身が自分がお店のオーナーになった場合に必要な経営のノウハウ、接客マナー、集客のための広告宣伝などをすべて実践的に体験できる機会として企画したそうです。
レコールバンタン ブランドマネージャー・細井信宏さんによると、飲食店ではなかなか回収が難しい、食後の(味やサービスなどの感想を記入してもらう用紙)を全員の方に記入していただけたとのこと。
メニューや提供方法、サービス内容などの改善や技術向上につながる貴重な意見をいただき、参加した学生たちにとって大いに成長できる機会を得られたといいます。
ハンバーガーを楽しむためのコース料理として「GENKAI BURGER」が挑戦したいこと
前回の「GENKAI BURGER」での体験を踏まえ、店舗経営に欠かせない新商品開発や固定客の確保などを想定。新たにハンバーガーを楽しむためのコース料理としてメニュー開発を行ったそうです。
監修は前回同様、鳥羽周作シェフが協力しました。
また、レストランでコース料理を提供する際、メニューをプレゼンテーションすることも想定したトレーニングも。今後、海外からのお客様が増えることを見越し、英語でも説明できる体制を整えています。
鳥羽シェフの「sioイムズ」が貫かれている、「宮崎マンゴー~GENKAI~サルサバーガーコース」
今回も前回同様、鳥羽シェフが提唱している「sioイムズ」である「5味(甘味・塩味・酸味・苦味・旨味)+1味(辛味・食感・香り)」に基づき、商品開発されたメニュー。
そして、1品目から最後のデザートまでお客様にどのように感じ、味わってもらえるかを考えた「感動の設計図」で組み立てられたコース料理(スープからデザートまでの4品)となっています。
今回提供する時期に合わせて、暑い夏の食欲を科学して生み出した、以下のような独自設計となっています。
- 「目覚めの一皿」眠った食欲を呼び覚ますもの
- 「高める一皿」食感と味のコントラストが楽しいサラダを通して食欲を加速
- 「味わう一皿」ジューシー×スパイシーなメインディッシュで感動を最高潮に
- 「余韻の一皿」どこまでも爽やかでもたれずに満足感だけを残す
それぞれのメニューを順番にご紹介します。
「目覚めの一皿」は「冷製コーンスープ」
国産とうもろこしを使用。スープの表面に浮かんでいるのはミントオイルです。
とうもろこしの甘味となめらかな口当たり。ミントオイルがひんやりとした清涼感をプラスしつつも、とうもろこし本来の味わいを邪魔しません。
まさに食欲をぐっと増進させる「目覚めの一皿」でした。
「高める一皿」は「スパイス香るチョップドサラダ」
10種類以上の食材が絶妙なバランスで合わさっているというサラダ。シャキシャキ、ジューシー、パリパリ、ザクザクなど色々な音が口の中ではじけるのもおもしろかったです。
食材の味わいを邪魔しないシンプルで控えめな味付けながら、スパイスがしっかりと下支えして、旨味がよく引き出されていました。
ちなみにサラダをサービスする際、テーブルで仕上げのチーズをトッピングしてくれました。
そんなライブ感も食事を楽しくする要素の一つですね。削りたてチーズの香りがより食欲をかきたててくれました。
「味わう一皿」は「果汁×肉汁 宮崎マンゴー~GENKAI~サルサバーガー ケイジャンポテト添え」
神戸牛の旨味を軸に5味+1で構成した贅沢なハンバーガー。前回、調理場から運んでくるまでにハンバガーが冷めてしまっているという指摘を受け、今回はお皿をしっかり温めて提供されていました。
薄くスライスした宮崎マンゴーをトッピングし、一緒に食べるとフルーティな香りと肉汁が口の中でさわやかにはじけます。
お肉は細かくミンチせずに、ゴロゴロとしたカットでステーキを食べているのかと思うぐらい。これは感動します。
トマトの旨味をよく引き出したサルサソース、大き目にカットした野菜のシャキシャキ感と大変バランスが良かったです。
合間でピリッとスパイシーなポテトを食べながら最後まで食欲が落ちずに、ペロリといただきました。
「余韻の一皿」は「八朔とアールグレイのグラニテ」
八朔の甘酸っぱさとアールグレイの香りがマッチしたグラニテ(シャーベット)。トッピングされたフレッシュハーブ、ディルはお魚料理によく使われますが、柑橘系のようなトーンもあります。
アールグレイ紅茶も柑橘系のベルガモットで香り付けしたもの。
甘さ、さわやかさ、ほろ苦さなどがうまくマッチしており、コースの最後を鮮やかに締めくくってくれました。
「GENKAI BURGER」を通じて、お店経営の難しさ、飲食業界の大変さを知ってほしい
「GENKAI BURGER」では、メニューひとつひとつの原価を公開しています。今回のコースでは2,500円で提供(原価は2,106円)していますが、実際は7,020円の販売価格を想定しなければ経営が成り立ちません。
「GENKAI BURGER」の企画・運営・広告宣伝を行っているのが学生たち自身であること。調理する場所、食事を提供する場所が、レコールバンタンの校舎内であること。
人件費や固定費(家賃や光熱費など)、集客のための広告宣伝費、お店を続けていくための利益をすべてカットしたからこそ、実現できた「限界ギリギリの価格」です。
レコールバンタンとしては「GENKAI BURGER」を通じて、飲食業界の厳しさをぜひ知ってほしい、伝えたいという思いがあるそうです。
「GENKAI BURGER」は学生たちが学ぶ場でもあり、私たちがお店経営の難しさを実感できる、そんな画期的な試みとなっています。
実体験に基づいたケーススタディから学ぶことを大切にしている「レコールバンタン」
「レコールバンタン」を運営している株式会社バンタンのビジョンは、プロの現場による実践スクール事業を行い、「世界で一番、社会に近いスクールを創る」こと。
このため、第一線で活躍している現役シェフ、自分でお店を立ち上げて成功している方などを講師としてお招きし、実体験に基づいたケーススタディを通して学ぶことを大切にしています。
飲食関係のスクールを卒業し、自分のお店を開業後、3年後まで生き残れる店舗は3割程度といわれているそうです。しかし、レコールバンタンを卒業した学生たちは7~8割が継続しているとのこと。
現場を知り尽くしている方の実践的な授業が実を結び、厳しい飲食業界の中で生き延びていける力を身に付けることができているのだなと感銘を受けました。
「GENKAI BURGER」は、夢を実現したいと頑張る学生たちを応援できる画期的な企画。食べる側も学生たちの成長に一役買うことができるのも嬉しい試みですね。
「宮崎マンゴー~GENKAI~サルサバーガーコース」を提供するにあたり、いくつか注意点がありますので、気を付けてください。
- 1時間10席の入れ替え制
- 指定時間に来店し、定刻通りに一斉スタート(10分以上の遅刻は提供不可)
- オーダー後に調理スタートのため、提供まで15分程度かかる
- 準備している食材がなくなり次第終了
食材の高騰や円安により、値上げを余儀なくされている飲食業界。普段はなかなか食べることができない高級食材を敢えてふんだんに使用し、多くの方に味わっていただきたいと開発されたメニューです。
私たちは彼らの作り出す一皿一皿を存分に味わいつつ、サービスを含めてその感想をありのままにしっかりとフィードバックすることで、将来の夢を実現する第一歩を応援したいと思います。
コース料理とは別料金となりますが、手作りのソフトドリンクやクラフトビールも提供。試食会の際はクラフトジンジャーエールを提供いただきましたが、とてもおいしかったです。
ぜひ彼らの夢が詰まったおいしいハンバーガーと一緒に楽しんでくださいね。
■取材協力