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タマホーム、Xでトラブルになっていたユーザーに損害賠償請求を準備と発表。「スラップ訴訟」と批判浴びる

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
タマホームが掲載した問題のリリース。筆者キャプチャ。黒塗り加工済み

 タマホームがX(旧Twitter)にアップされた写真を巡ってトラブルになっていたユーザーに対して、「損害賠償請求の準備をしている」とのリリースを2月2日に発表したことを受けて「スラップ訴訟ではないか」と批判される事態となっています。

「ネジ飛び出し写真」の公開でトラブルになっていた

 この問題は1月27日、タマホーム側が損害賠償請求の準備をしていると発表したユーザーが、同社の住宅展示場(モデルルーム)を見学した際に階段でネジ(ビス)がむき出しになっている施工ミスを発見し、その写真をXに公開したことから始まります。

 この写真が拡散するにつれ、当該ユーザーの報告によればタマホーム側は電話で削除を要求。

 しかしながらこのユーザーが写真をすぐに削除しなかったことから、自宅に押しかけてきて削除を要求したとのことです。

 ユーザーはこの要求に従いXで公開していた写真を削除しましたが、すでに一定数が拡散されていたためインターネットの「消すと増える」の法則に従って別のユーザーが再掲載。写真はインターネットの海に広がるという結果になりました。

「アンケートに記入した住所を見て押しかけるのは個人情報の目的外利用ではないか?」でさらにトラブルに

 これだけでもなかなかヘビーな炎上案件ですが、今度は「アンケートに記入した住所を見てタマホームが自宅を訪問するのは個人情報の目的外利用ではないか?」と事態がヒートアップすることに。

 当該ユーザーはタマホームとのトラブルについてX上で不満をポストしながらも、1月29日にはタマホームについて触れなくなりました。

タマホーム「損害賠償請求の準備をしている」とリリースを発表

 そんななか、2月2日になってタマホームが「X(旧 Twitter)上における当社に対する不適切な投稿について」とのタイトルでリリースを発表したことから事態は急展開します。

 リリース内では当該ユーザーの居住地やユーザー名にくわえ、「警察に相談を行なっており、また損害賠償請求の準備を行なっていることをお知らせいたします」と書かれていたことからタマホームに批判が殺到。

 「スラップ訴訟じゃないのか」、「タマホームには家を注文しない」と、落ち着きを見せていた炎上案件が再度、炎上する流れとなりました。

炎上対策としては本当に下の下

 いままで多くの炎上案件やその対策、謝罪、反撃を見てきましたが、今回のタマホームの対応は「どうしてこうなった?」としか思えないくらいひどいです。

 トラブルをめぐって損害賠償請求をする、というところまでは(損害額や因果関係をどう立証するのかは別として)頑張れば理解できなくもないですが、ユーザーの居住地やユーザー名まで晒すのは悪手です。

 このリリースを見てタマホームの味方をしようと思う人はほとんどいないでしょうし、このような脅迫的なリリースを出すような会社だと知った時点で住宅を注文しようとする人はいなくなるでしょう。

 階段からネジ(ビス)が飛び出していたというのはたしかに住宅メーカーからすると消したい傷かもしれませんが、それは修正ができます。しかし、このリリースは修正ができません。

 タマホームが何を思ってこのようなリリースを出したのか、本当に理解に苦しみます。いまからでも取り下げた方が良いと思いますし、アンケートの個人情報の目的外利用は別問題のため、これは写真とは別に真摯に対応するべきだと思います。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。インターネット(SNS)で起きる炎上の解説、デマのファクトチェック、スマホやガジェットの話題、生成AIが専門。最近はYouTubeでも活動しています。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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