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【名古屋市緑区】名古屋が誇る日本遺産「有松」町並みに秘められた伝統文化&景観のストーリーとは?

土庄雄平愛知深掘りライター(名古屋市)

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名古屋といえば、ビルや住宅街が立ち並ぶ都会のイメージ。しかしながら、その至る所に"歴史"も散りばめられているのは、ご存知でしょうか?

中でも江戸時代には、尾張徳川家のお膝元かつ街道(東海道・中山道・飯田街道など)の結節点として繁栄をみせました。

そんな名古屋の歴史を色こく残している場所が、緑区の「有松の町並み」であり、2018年5月には日本遺産に登録されています。

日本遺産とは、以下のように定義されています。

日本遺産とは地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーのこと。引用:日本遺産ポータルサイト

場所自体が遺産というだけでなく、その場所が"現代まで紡いできたストーリー"を大切にしているのがポイントです。

それでは有松の街並みのストーリーとはどのようなものか?少し振り返ってみましょう。

まず有松の町が位置しているのは、名古屋市緑区と豊明市にまたがるエリア。かつては旧桶狭間村と鳴海村のあたりを指しました。

桶狭間といえば、織田信長と今川義元が戦った「桶狭間の戦い」が有名ですね!

歴史の表舞台に登場するこのエリアですが、江戸時代のはじめには人家のない地域でした。

しかし江戸時代に東海道を整備するにあたって、治安上の問題もあり、旧桶狭間村と鳴海村の間に村を開こうという計画が持ち上がったのです。

尾張藩が知多郡全域に高札を掲げ、この地域への移住を呼びかけたことで、「有松村」が開かれました。

しかし、有松村は農作地が少ない土地柄。そこで、新たな産業として興ったのが、伝統産業「有松絞り」です。

移住者の一人、竹田庄九郎が豊後(現大分)の絞り染めを参考に「有松絞り」を考案し、東海道を行き交う人々へ販売したところ大ヒット!

尾張藩からの保護も受け、尾張地区の一大名産品としての地位を確立しました。十返舎一九の描いた「東海道中膝栗毛」でも、その繁栄の様子が取り上げられています。

町並みは絞り染め問屋が軒を連ね、大きな邸宅が並びます。通常は間口の広さで税金が課されますが、江戸時代の尾張藩の優遇策により、それを免除されていたことが大きな理由です。

こうした邸宅が物語っているように、有松絞りの経済効果は莫大でした。有松絞りの繁栄に伴い、町は急成長していきます。

加えて400年もの間、職人さんの普段の努力により、100以上の技法が生み出され、世界的にも有名な絞り染の産地としての地位を確立したのです。

天明の大火(1784年)で、町が消失してしまう一大事もありましたが、なまこ壁や瓦を使用するなど、防火対策を施した建物からなる、現在の景観へと復元されます。

町が形跡された頃の原風景ではないですが、近世の町並みを色濃く残しています。また無形遺産として受け継がれる絞り染の技法があったからこそ、今でも町の姿があるのです。

そして現在は、絞り染や古い町並み、山車(だし)3輌のからくり人形が登場する伝統的な祭りといった特色を生かして、魅力的な町づくりに取り組んでいます。

いかがでしたでしょうか。今回は名古屋が誇る日本遺産。絞り染の伝統文化と美しい町並みを今に残している「有松」をご紹介しました。

名古屋からアクセスしやすく、少し散策するだけで歴史と街道情緒に浸ることができます。

町並みを歩けば、江戸時代にワープしたような風情を楽しめるほか、おすすめの飲食店なども多いので、ぜひ一度訪れてみてください。

<有松の町並み>
住所:愛知県名古屋市緑区有松809
アクセス:名鉄・有松駅からすぐ

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愛知深掘りライター(名古屋市)

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、愛知へUターンをして、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤務しながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。美味しい地元グルメを探しながら、名古屋市内の色彩豊かな自然を愛でるのがルーチン。 ※12月18日からLINEにて土庄雄平「名古屋深掘りチャンネル」配信スタート!毎週月曜日の10時にお届けします。名古屋のグルメから週末おでかけ情報、ディープなスポットまで盛りだくさん。ぜひ登録してくださいね♪(記事内のリンクは、Yahoo!ニュース エキスパートとの取り組みで特別に設置しています。)

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