Yahoo!ニュース

【京都市東山区】清水寺参道近くの閑静な町家群にある隠れ家カフェのおうちごはん朝食が絶品でした!

HOTSUU地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 渋谷通東大路西入鐘鋳町は、清水寺への参道、五条坂から東山五条交差点を渡って、東大路通と大和大路通の間にある閑静な町家群です。鐘鋳町(かねいちょう)は名のとおり、大仏殿巨鐘鋳造炉鍛場の跡がその始まりと言われます。そうなんです、豊臣家滅亡の引き金ともなったという「国家安康の鐘」を鋳造した場所だといわれます。古くから清水焼きの窯もとが集まっていた陶器町でもありました。

 その静かな街で、おうちごはんのような朝食が美味いとの噂を聞きつけ、2023年1月14日に訪れました。陶芸家・河井寛次郎記念館の斜め前に「蘇谷(sokoku)」の看板がありました。築100年を超える京町家だそうです。鰻の寝床の間口の狭い玄関を通り抜けるとテーブル席と昔ながらの書院風の席の前に坪庭があって、風情ある空間が広がっていました。

 朝食のメニューは、一汁三菜の一点のみ。サケの幽庵は、柑橘の風味がほんのり漂い、固すぎず柔らかすぎずいい感じ。ふっくらやわらかな京風のだし巻き卵は上品な優しい味でした。太閤秀吉にあやかって、馬印の瓢箪形にしてあります。

 そしてなんといっても、ほうれん草のお浸しが美味かった。葉物のあくがなく、丁寧に調理されています。季節のものを大切にしているということで、彩鮮やかにお正月の紅白なますが添えられています。ほんとに具沢山の味噌汁に、ご飯のお供、もちろんごはんも、新鮮な具材を一品、一品丁寧に調理されているのが分ります。

 「蘇谷(sokoku)」は元々、陶芸家・初代八田蘇谷の住居兼工房でした。2代続いた後、現店主の八田宗子さんに受け継がれました。宗子さんは、「お世話になった近所の方々が気軽に立ち寄れる場所にしたい」との思いから、青磁作家の父・2代目蘇谷の作品を中心としたギャラリー兼カフェに、親しい友人や仲間たちとともにリノベーション。宗子さんの同級生の三人の女性で切り盛りしています。

 午後からは和カフェとして、ぜんざいやお雑煮、自家製スィ―ツなどがいただけます。地域の人のワークショップや文化講座などにも開放しているそうです。まさに市井の山居(市中にありながら山住まいを思わせるような茶室)です。いつまでもいたくなりますよ。ぜひ1度訪れてみてください!

「蘇谷(sokoku)」(外部リンク)京都府東山区鐘鋳町392 075-561-8147

地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 「YAHOO!ニュース ベストエキスパート2024 地域クリエーター部門 特別賞」を受賞 京都をこよなく愛する地域ニュースサイト号外NETの京都市担当タウンクライヤ―です。四国から大阪の元地方紙記者。観光ガイドをしながら京都時空観光案内2024(観光ガイドのための京都案内マニュアル)全19巻や「やさぐれ坊主京を創る 前田玄以の生涯」(京都文学賞一次審査通過)はじめ、京都を題材にした小説なども執筆しています。

HOTSUUの最近の記事