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猛烈な台風14号 動きが遅く、18日~19日は西日本で記録的な暴風雨

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
【台風14号の進路予想図】2022年9月17日午後3時現在、ウェザーマップ作画

 台風14号は17日(土)午後3時、南大東島の北東の海上を北西に進んでいます。中心の気圧は910hPaで、今年最も発達した台風となっています。

 台風はあす(18日)、九州南部にかなり接近するでしょう。その後は徐々に進路を東寄りに変えながら、九州の西岸を進み、19日(日)にかけて西日本に影響する見通しです。

西日本、長引く暴風雨

 台風は北西や北に進んでいるときは時速15キロ程度ですが、進路を東寄りに変えると、偏西風の影響を受けて、スピードが速くなります。とくに、9月の台風はこの傾向が強く、この前の台風11号では日本海で時速80キロにもなりました。

 しかし、台風14号は転向したあとも、急には速くならない可能性があります。

【300hPaの風予想図】2022年9月19日午前9時、ウェザーマップ作画、筆者加工
【300hPaの風予想図】2022年9月19日午前9時、ウェザーマップ作画、筆者加工

 19日(日)朝の風の流れを見てみましょう。 上空の強い西風(偏西風)は台風から離れた朝鮮半島の北を流れています。さらに、中国大陸と日本の東には高気圧があり、台風はこの2つの高気圧に挟まれた格好となっています。

 そのため、台風は比較的ゆっくりとした速さで進むことになり、西日本の広い範囲が18日~19日にかけての丸2日、台風の暴風雨にさらさられるおそれがあるのです。

宮崎県などで記録的な豪雨のおそれ 

 風も、雨も、波も、非常に危険な状況になることに変わりはありませんが、そのなかでも雨が気になります。宮崎県、大分県、高知県、徳島県などではこの先二日間で、年間雨量の2割から3割に匹敵する大雨になる可能性があるからです。

2022年9月17日午後6時~19日午後6時までの48時間降水量予測図、ウェザーマップ作画
2022年9月17日午後6時~19日午後6時までの48時間降水量予測図、ウェザーマップ作画

 年間雨量の約1割が降ると大雨被害が発生すると言われているだけに、この尋常ではない雨量は非常に危険です。

【参考資料】

気象庁:令和4年台風第14号に関する情報(第49号)、2022年9月17日16時48分発表

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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