老舗のお店と新しいお店が融合する通り並木坂。古書店や飲食店などが建ち並ぶ独特の雰囲気のあるエリアです。今回はそんな並木坂に新しくオープンしたブックカフェ「本と音楽と珈琲と、共栄堂」をご紹介します。（以下「共栄堂」とする。）

場所は人気のパン屋「ROJIBAKERY」が入るビルの2階にあります。「共栄堂」ではドリンクを注文すれば同店のパンを持ち込む事が可能なので、ランチやおやつタイムにはお気に入りのパンを買ってから店内へ入ることもできます。

階段から入口までのアプローチがとても素敵な空間で期待感が高まります。

扉を開けてまず目に入ったのはこちらの大きな書棚。全くフレームに収まりきっておりませんが、正直想像よりも多い蔵書にわくわく感とにやにやが止まりません。アーティスティックな書物とディスプレイに心惹かれます。

パッと見ただけでも江口寿史さんや塔本シスコさん、坂口恭平さんなど熊本出身の方の画集が。画集ってそれなりの値段がするのでなかなかこんなに揃えようとすると大変なことです。くれぐれも、本を大切に、汚さないように読まなければ。（※ドリンクを注文された方は蔵書を読むことができますが、本の購入はできません。）

店内は白い壁を基調に観葉植物が品よくディスプレイされており、並木坂に面した大きな窓からは木々の緑を眺める事ができます。ちょっと一休みにゆったりとくつろぐにも、はたまたPCを持ち込んで仕事に集中するにも良い落ち着いた空間です。

4/3にプレオープンしたばかりの店内は真新しさがありながらも、オーナーが収集された書籍やレコードからは歴史を感じられます。ちなみにスピーカーは小国杉を使って製作されたもので音響にもこだわっておられるそうです。

先に店内の様子をお伝えしましたが、席に着く前に案内に沿って飲み物を注文しましょう。案内には「まずは店内奥のセルフレジへ」とあります。
そう、ここ「共栄堂」の大きな特徴は、

・キャッシュレスオンリー

・セルフレジ

・セルフサービス

という熊本ではまだあまり見慣れない業態のカフェであることです。

案内通り右奥にあるセルフレジへ進み、画面をタップして注文します。画面操作はシンプルでわかりやすい設計なので戸惑うことはなさそうです。現在のメニューは飲み物とアイスのみですが、今後はランチメニューの展開なども予定されているそう。期待して待ちましょう。

アルコール類も取り揃えがあって昼飲みOK。ハートランド小瓶とナチュラルワインがグラスで提供されています。そのため未成年だけでの入店はNGです。

珈琲は新町「珈琲回廊」の珈琲とカフェラテ、エスプレッソ。ジュースは水俣「福田農場」の柑橘系ジュースや内牧「阿部牧場」のASOMILKなど、地元熊本の商品を取り扱っているのが嬉しい。デザートは山都町「ARBOL」のビーガンアイスクリーム。（※毎週限定入荷の為お一人様一個、珈琲類とのセット販売）

甘夏ジュースを注文し、QRコードでお会計。

セルフサービスなので、グラスを取って、飲み物を注ぎます。

珈琲をご注文の方はこちらのマシーンでどうぞ。

注文が済んだ方は「フジバンビ」の黒糖ドーナツ棒を1本サービスでいただけちゃいます。くまモンを見ると条件反射でほっこりするのは私だけではないはず。

返却もセルフサービスですから、飲み終わったグラス類はお忘れなくこちらへ。

このように入店から退店まで全てセルフサービスではありますが、奥に運営元の事務所があって無人ではないので、何かあればベルを鳴らしてスタッフの方を呼ぶこともできます。私が行った時間帯はドリンクの補充をしたりするスタッフの方がいらっしゃいましたが、特に会話することなく着席。本を読みながら一人の時間を満喫しました。Wi-Fiが完備されていてコンセントもあるのでPC作業も問題ありません。人手不足が叫ばれている昨今、このような新しい取り組みは利用する側としても快適で大歓迎です。

こちらの雑誌、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。実は「共栄堂」はこの雑誌の発行元である広告代理店「共栄コア」プロデュースのカフェなんです。今回取材させていただくにあたり「共栄コア」の園城雅子さんにお話を伺いました。

園城さんのお話によると、「この場所へ来ることで熊本の良いものを知ることができたり味わうことができて、熊本の魅力を発信してもらえる、そんな場所にしたい。」との事。その上で、「上通並木坂エリアは昔からある商店も多く、文化を発信するのにふさわしい場所であり、自分たちが若い頃に『街に行く』ことが娯楽だった時代のように、もっと街に人を呼びたい。」想いがあるそう。お話を伺い、とにかく熱い熊本への想いを感じました。園城さん、貴重なお話をありがとうございました。

空間の貸出や貸切パーティーの利用も対応されていて、今後はトークイベントや他の業種の方とのコラボなども積極的に行っていきたいとのこと。お知らせはインスタグラムで発信されていますので要チェックです。皆さんもぜひ「共栄堂」を目指して街を訪れてみてください。