任天堂のスマホゲーム『ファイアーエムブレム』と『どうぶつの森』は基本プレイ無料に
任天堂とDeNAが共同で開発し、今秋までのリリースを予定しているスマホゲーム『ファイアーエムブレム』と『どうぶつの森』が、基本プレイ無料のF2P型アプリとしてリリースされることが分かりました。
この情報はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道で明らかにされたもので、5月11日(水)に行われたDeNAの決算説明会にて、同社の守安功社長がWSJ記者からの質問に対して答えたとのことです。
DeNAの守安功社長はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し、ファイアーエムブレムとどうぶつの森が両方ともフリー・トゥ・スタート型のアプリになると述べた。任天堂の広報担当者はこの発言が正しいことを認めた。
当方でもDeNAの広報担当者に確認を取ったところ、「回答は事実にもとづいている」とのコメントを頂きました。
任天堂のスマホゲームはF2P路線か
ファイアーエムブレムとどうぶつの森は任天堂を代表する有力なIPであり、2016年4月に行われた決算説明会では「純粋なゲームアプリ」であるとのコメントもありました。
これらのアプリは、「2016年秋」の配信開始を目指しております。どちらも純粋なゲームアプリであり、『Miitomo』に比べると、より一層ゲーム的な要素が強く、お客様それぞれの楽しみ方ができ、当社のビジネスにも結びつくゲーム内容になる予定です。
この2作が基本プレイ無料でリリースされるということは、今後の任天堂のスマホゲームはその全てがF2P型のゲームである可能性が高いと言えます。
ただし課金は「広く薄く」
そこで気になるのは、「課金はガチャなのか?」という点です。
ご存じの通りソーシャルゲームのガチャは大きな問題になっており、業界団体がガイドラインを作成しているものの「4つの条件のうちいずれかを満たせば良い」といったざるな規則になっており、ガチャの確率表記をしていない大人気ゲームも多くあります。
任天堂ファンの多くは「任天堂のゲームもそんな“ガチャゲー”になったらどうしよう」との不安を抱えていることでしょう。しかし、同社はこうした少数から大きな売上をあげるアイテム課金型のF2Pゲームを明確に否定しています。
任天堂は2015年に開いた第75期 定時株主総会にて、ガチャが一部社会問題になっていると認識しており、日本以外の地域でのビジネスの成立例を見るに、必ずしもそのやり方がうまくいっているとは言えず、それが世界中で受け入れられるとは思っていないと答えています。
「幅広い層の方々に受け入れられるものをつくり、幅広い方から広く薄くお金を支払っていただいて、それらが全体として大きな規模で非常に収益性が上がる」というような姿を目指したいと思っています。今のご質問はおそらく「任天堂も少数の人からものすごく集中的にお金をもらう商売にシフトするのではないか、そうなったらブランドは傷つかないか」というご心配もあってのご質問かと思いますが、任天堂なりのあり方を考えてご提案していきたいと思います。
つまり何万円、何十万円ものお金を出して目当てのキャラが当たるまでガチャを回すのではなく、広く薄く支払うゲームとして作られているはずです。
実際に先日リリースされたSNSアプリ『Miitomo』はそのような「広く薄くお金を支払っていただいて、それらが全体として大きな規模で非常に収益性が上がる」となっており、売上高はソシャゲには及ばないものの、米調査会社によれば1週間に28万ドルを稼ぐ成功例と言われています。
任天堂アプリ『Miitomo』は1週間に28万ドルを稼ぐ。米調査会社SurveyMonkeyがコンテンツの成功を指摘 | AUTOMATON
ただまあ、リリース前にあれやこれや言っても始まりません。仕様公開の続報を待ちましょう。