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この投手が記録した「104.0マイル」は、今シーズンの最速。歴代では何位なのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
ライアン・ヘルズリー(セントルイス・カーディナルス)Sep 14, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月22日、8回裏に登板したライアン・ヘルズリー(セントルイス・カーディナルス)は、21球を投げた。スタットキャストによると、その14球目に初速104.0マイル(約167.4km)を記録した。

 これは、今シーズンのメジャーリーグ最速だ。チームメイトのジョーダン・ヒックスが7月7日に投げた、103.8マイル(約167.0km)を上回った。

 一方、2008年以降の「ピッチ・トラッキング・エラ」において、104.0マイルは、球速トップ50にも入らない。66位タイだ。ちなみに、投球はレギュラーシーズンのみ。ポストシーズンは含めていない。

 もっとも、104.0マイルを記録した投手は、そう多くない。104.0マイル以上の82球のうち、80.5%の66球は、アロルディス・チャップマン(現ニューヨーク・ヤンキース)によるものだ。また、14.6%の12球は、ヒックスが記録している。

 あとの4球(4.9%)は、どの投手も1球ずつだ。ヘルズリーの前には、ネフタリ・フェリースが2010年9月1日に104.1マイル(約167.5km)、マウリシオ・カブレラが2016年9月2日に104.2マイル(約167.7km)、タイロン・ゲレーロ(現・千葉ロッテ・マリーンズ)が2018年8月13日に104.0マイルを記録している。

 なお、2008年以降の最速は、チャップマンがシンシナティ・レッズ時代の2010年9月24日に投げた105.8マイル(約170.3km)だ。それに次ぐ、2位から7位までの6球は、すべて、チャップマンが2016年に記録した。ヒックスは、2018年5月20日の2球、105.0マイル(約169.0km)が最も速い。

 2010年のチャップマンと2018年のヒックスは、どちらもメジャーリーグ1年目だった。現在、チャップマンは34歳。今シーズンの最速は、7月29日の101.9マイル(約164.0km)だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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