アップルに特許訴訟で勝った個人発明家のブログにあった苦労話
アップルから特許侵害により3億円強の損害賠償を勝ち取った個人発明家(参照過去記事)の方が書かれたブログを発見しました。内容が断片的でちょっとわかりにくいですが(裁判関連情報はブログに書くべきではないので内容が断片的なのはしょうがないかと思います)、今までの道のりはそれほどなだらかではなかったことがうかがわれます。
何となく、大手メーカーを退職して悠々自適の生活を送りつつ趣味で発明をしてライセンス料を稼いでいた方というイメージを持っていましたがそういう感じではないようで、いろいろ苦労されてきたようです。是非、今回の体験を(守秘義務に触れない範囲で)書籍化していただきたいものです。
アップルへの訴訟を検討する前に、複数の国内メーカーとライセンス交渉をされていたようですが、結果は芳しくなかったようです。特許権(あるいは特許出願)を単独でマネタイズできるケースもないわけではないのですが、やはり、実際の製品がないと特許で稼ぐのは難しいです。つまり、自分で(魅力的な)製品を作ってそれが特許権で守られているというケース、あるいは、他人の製品が自分の特許権を明らかに侵害しているケースということです。今回はアップルについて後者が当てはまったことになります。
3億円の賠償金というとすごいという印象を受けますが、長期的な裁判だったことと弁護士費用等を考えれば、それほど濡れ手に粟という訳ではないでしょう。元々の損害賠償請求額は100億円です。そして、高裁で勝訴したにもかかわらず賠償金を不服として上告していることを考えると3億円では足りないというのが正直なところでしょう(賠償金の算定についてはまた機会があれば分析してみます)。
ちょっと残念だったのはiPodのクリックホイールが自分の特許権を侵害しそうだという読みができたのが出願公開の後だったということです。気づくタイミングがもう少し早ければ、借金してでも米国に出願しておくべきだったでしょう(後付けで「もし」の話をしてもしょうがないのですが)。