仰天発表。PGAツアーがT・ウッズにシグネチャー・イベント全8試合への「生涯シード」を付与 #ゴルフ
今季8つ目、そして今季最後のシグネチャー・イベント、トラベラーズ選手権の開幕を控えた6月19日(米国時間)、PGAツアーが今後のすべてのシグネチャー・イベントに無期限で出場できる「生涯シード」をタイガー・ウッズに授けたことが明かされ、米ゴルフ界は大騒ぎになった。
PGAツアーはその前日の18日(火曜日)に定例の理事会を開催。翌19日には理事会で討議された内容が明かされたのだが、懸案のPIF(パブリック・インベストメント・ファンド)との交渉の進捗などは一切伝えられず、その代わり、2025年のシグネチャー・イベントに関する変更事項が明かされ、米ゴルフウィーク誌がいち早く報じた。
来季のシグネチャー・イベントは今季同様8試合と変わりはないが、フィールドの最少人数を72名へ増やすこと、さらには補欠リストを作成することが新たに決まった。
現状では、シグネチャー・イベントへの出場条件を満たした選手が開幕前に欠場を決めた場合でも、選手の補充は行わず、人数が減った状態で開幕を迎えている。しかし、来季からは「AON NEXT 10」の上位者から順に補欠リストに載せ、欠員が出た場合は、順次、繰り上がり出場ができるよう、変更されるという。
そこまでの発表は、別段、驚く内容ではない。多くの人々を驚かせたのは、来季からのすべてのシグネチャー・イベントに出場できる生涯シードをウッズに与えたという発表だった。
昨今のウッズは、メジャー大会や自身がホストを務める大会以外は、あまり出場しておらず、来季も年間何試合に出場できるのかは彼の心身の状態次第なのだろうと想像される。シグネチャー・イベントすべてに出場できる生涯シードを授けたところで、実際にウッズがそれらすべてに出場できるかどうかは、まったくわからない。
だが、TWリージョンによると、PGAツアーのジェイ・モナハン会長は、ウッズに生涯シードを授けた理由をこんなふうに語ったそうだ。
「タイガーは80勝以上(注:82勝)も挙げているし、彼が試合に出れば、その試合はどこまでも盛り上がり、人々の視線はどこまでも彼に注がれる。我々は、シンプルに彼が必要なんだ」
ウッズは過去にアーノルド・パーマー招待では8勝、メモリアル・トーナメントでは5勝を挙げており、ジェネシス招待はウッズ自身が大会ホストゆえ、これら3つのシグネチャー・イベントとの関りは、そもそも深い。
だが、そうした関係性はさておき、モナハン会長が言った通り、TV中継の視聴率が急降下しているPGAツアーは、理屈抜きで「タイガー・ウッズが必要」ということなのだろう。
米国のゴルフファンの反応はさまざまで、「ウッズのPGAツアーへの貢献を考えれば、彼はシグネチャー・イベントの生涯シードを授けられるに十分値する」と評価する声もあれば、「若い選手、本当に力を付けてきている選手の出場枠を奪ってまでウッズを出すのは、おかしい」と批判する声も上がっている。
とはいえ、ウッズが試合会場に入るだけ、居るだけで、会場の空気が様変わりすることは事実。ウッズが出場していれば、TV視聴率も軒並みアップする。その影響力と集客力、アピール力を考えれば、「ウッズはすべてのシグネチャー・イベントへの生涯シードに値する」という結論は、大いに頷けるのではないだろうか。