自宅で作って夏場に持ち歩く弁当やおにぎりのご飯を傷まないようにする秘訣とは?
7月30日は「梅干しの日」。梅干しは「難逃れ」と昔から言われてきた。その「難(7)が去る(30)」の語呂合わせだそうで、和歌山県みなべ町の東農園が2004年(平成16年)に定めた。
梅干しは、弁当のご飯やおにぎりに使われる。夏場はどう使えばいいだろう。
「梅干しのおにぎり」と言われてパッと思い浮かべるのは、白いご飯の真ん中に、梅干しが1個、丸ごと入ったものだろう。
「日の丸弁当」も、その名の通り、白いご飯の真ん中に梅干しが1個入っている。
でも、実は、食べ物が傷みやすい夏場は、梅干しの入れ方を変えた方がいい。
夏場は梅干しを刻んでご飯全体に混ぜて使う
夏場に自宅で作って持ち歩くおにぎりや弁当のご飯は、真ん中に丸ごと1個梅干しを入れるより、切り刻んで、ご飯全体に混ぜて使った方が、ご飯が傷みにくい。つまり、ご飯全体に、梅干しを触れさせる、ということだ。梅干しにはクエン酸やリンゴ酸などの有機酸が含まれており、使うことで、食べ物が傷みにくくなる。
7月30日の梅干しの日を定めたのは、和歌山県みなべ町の東農園。
和歌山県は、日本一の梅の産地。
総務省統計局の家計調査(二人以上の世帯)でも、梅干しの支出金額と購入数量でトップとなっているのが和歌山市だ(総務省統計局の家計調査、二人以上の世帯、品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング、平成27~29年平均より)。
その和歌山市では、ご飯を炊いてから梅干しを入れるのではなく、ご飯を炊く時に梅干しを入れて「炊き込みご飯」にすることもあるそうだ。割合は、コメ1合あたり、梅干し1個ぐらい(大きさによる)。
夏場は寿司飯(酢飯)にしておにぎりや弁当のご飯にするのも効果的
塩分の摂取を控えている人だと、塩分含有量が高い梅干しは、なかなか使いづらいかもしれない。
もしそうであれば、梅干しの代わりに、寿司酢を使って、寿司飯(酢飯)にしてもいい。
寿司酢は、家で作るなら、酢を少し熱して砂糖を入れてできるし、市販の「寿司酢」もある。
酢に含まれる酢酸は、殺菌効果や除菌効果があり、食べ物が傷むのをやわらげてくれる。
株式会社エフシージー総合研究所の実験によれば、酢を使うことで、炊いてから24時間経ったご飯にも、菌を抑える効果が認められている。
魚や肉の煮物に梅干しを使うと赤身の肉や魚に含まれる鉄やカルシウムの吸収を促進
梅干しは、ご飯に使われるほかにも、肉や魚の煮物にも使うことができる。
イワシやサバ、豚肉などに梅干しを加えて煮ることで、赤身の肉や魚に含まれる、鉄やカルシウムの吸収を促してくれる。
梅干しは、魚や肉の特有の臭みを消す効果もある。
暑い夏だと、梅干しを使うことで、食欲もそそってくれる。
ぜひ、この夏は、梅干しを活用したい。
この記事は、拙著『「食品ロス」をなくしたら、1ヶ月5,000円の得!』(マガジンハウス)の内容を参考にした。
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