Yahoo!ニュース

台風の最大風速50mは時速180km。頑丈な建物へ避難を

あんどうりすアウトドア防災ガイド  リスク対策.com名誉顧問 
出典 イラストACより作成 あんどうりす

 台風14号の中心付近の最大風速が18日午前5時時点で50m、最大瞬間風速は70mになっています。

 2018年関西空港に被害をもたらした台風21号では、最大風速46.5m最大瞬間風速58.1mでした。2019年の令和元年房総沖台風では、最大風速35.9m、最大瞬間風速57.5mの風速です。

令和元年房総沖台風 写真撮影 たいちおう
令和元年房総沖台風 写真撮影 たいちおう

 この時、関西では、車よりも速くトタンや屋根瓦が飛び、千葉県では割れたガラスが家の中に入った風圧で屋根が飛ぶ被害がありました。学校の体育館の窓が割れ、屋根が吹き飛んでいたケースもありました。(1)

 今回はそれ以上の風です。

 風速を時速に換算する際、3・6をかければいいのですが、暗算しやすいように、4をかけて1割引してみてください。風速50mは時速180kmです。

出典 いらすとやより作成 あんどうりす
出典 いらすとやより作成 あんどうりす

 世界最速ピッチャーが屋根瓦を家の中に投げ込んでくることをイメージしてみてください。

 シャッターや風に強い窓でないと、窓が割れることを防ぐことが困難になります。

出典 気象庁 風の強さと吹き方
出典 気象庁 風の強さと吹き方

ブロック塀や電柱が倒れるくらいですので、当然、歩けません。

出典 令和元年台風第 15 号に伴う強風による建築物等被害 現地調査報告(速報)  国土交通省国土技術政策総合研究所   国立研究開発法人建築研究所
出典 令和元年台風第 15 号に伴う強風による建築物等被害 現地調査報告(速報) 国土交通省国土技術政策総合研究所 国立研究開発法人建築研究所

 まだ風がひどくない地域で台風の通過が予想される地域では、頑丈な建物への避難も検討してみてください。

 既に鹿児島県のように被災前に災害救助法が適用されている地域もあります。

被災前に災害救助法が適用されると、自治体が予算を気にせず、被災前から救助活動ができることになります。避難用のバスのチャーター、ホテルの借り上げなど、過去に認められてきました。人命救助のため、柔軟な対応がとられてきたので、積極的に活用していただければと思います。

 また、災害救助法の適用に関わらず、災害時に避難が特に困難になる人について、徳島市神戸市などのように避難先としてホテルを利用した場合、宿泊について助成がある自治体もあります。このような事態に備えて、他の地域でも広がってほしい制度です。

 使える制度を使って、安全な場所でお過ごしいただければと思います。

(1)千葉日報 2019年9月11日 05:00

体育館屋根吹き飛ぶ 千葉市稲浜小 教員ら総出授業再開 【台風15号】

https://www.chibanippo.co.jp/news/national/626098

アウトドア防災ガイド  リスク対策.com名誉顧問 

FM西東京防災番組パーソナリティ 兵庫県立大学大学院 減災復興政策研究科 博士課程 女性防災ネットワーク東京呼びかけ人 阪神淡路大震災の経験とアウトドアスキルをいかした日常にも役立つ防災テクを、2003年から発信。子育てバックは、そのまま防災バックに使えるなど赤ちゃん防災の先駆けとなるアイデアを提唱。技だけなく仕組みと知恵が得られると好評で、口コミで講演が全国に広がる。企業広報誌、子育て雑誌などで防災記事を連載中。ゆるくて楽しい防災が好み。

あんどうりすの最近の記事