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米国で67歳女性「歩きスマホ」でガス管工事の穴に転落

佐藤仁学術研究員・著述家

久しぶりにアメリカで「歩きスマホ」の事故が大きく報じられていた。ニュージャージー州で67歳の女性が2017年6月7日に道路を歩いている時に、歩道でガス管工事が行われていたが、「歩きスマホ」をしていたので、気が付かずに工事の穴に転落した。落下から救出までの全貌を監視カメラが捉えており、その動画が多くのニュースで取り上げられていた。

下記がそのシーンをとらえた動画の報道。スマホに集中していて、フラップが開いているにも関わらず、それに気が付かずに真っ逆さまに落下していく様子がわかる。穴の中でガス管工事をしていた作業員も驚いたことだろう。

地元の警察によると67歳の女性は怪我はしているが、命に別状はないとのこと。日本だけでなく、世界中で「歩きスマホ」は課題になっている。このように配管工事の穴に転落するシーンが録画されており、大きく報じられることはめったにないが、それでも毎日世界中のどこかで小さなアクシデントは起きている。特に2016年夏には「ポケモンGo」が世界的に流行して、「歩きスマホ」による事故も急増した。「ポケモンGo」のブームは過ぎ去ったが、「歩きスマホ」は一向に減少しないどころか増加している。

「歩きスマホ」は命がけでするものではない

「歩きスマホ」は視線がスマホに向かっているので視界が狭くなっている。また、神経もスマホの中のニュースやらゲーム、LINEなどに集中しているので、危険を察しても咄嗟の判断ができない。高齢者の判断力は更に鈍る。今回は配管工事の穴への転落だったが、突然目の前に車が現れてもパニックになってしまって、すぐに避けられずに事故に遭ってしまう可能性が高い。

「歩きスマホ」をしている人は自己中心的な思考に陥っているので『自分は絶対に大丈夫、スマホを見ているけど、ちゃんと周囲も見えている』と思い込んでいる。誰もが事故に遭うまではそう信じ込んでいるが、そんなことは決してない。「歩きスマホ」は命をかけてまでやるものではない。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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