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NY原油29日:週末・月末でショートカバーが膨らむ

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

NYMEX原油7月限 前日比2.62ドル高

始値 57.97ドル

高値 60.70ドル

安値 57.72ドル

終値 60.30ドル

特に目立った買い材料は見当たらなかったが、週末を控えて短期筋のショートカバーが先行する中、大幅続伸となった。

5月下旬はドル反発が原油相場の上値を圧迫したが、ここにきてドル高にブレーキが掛かる中、週末・月末を前に売りポジションの整理を進める動きが活発化した。米1~3月期国内総生産(GDP)改定値が、速報の+0.2%から-0.7%にマイナス改訂されるといったネガティブ材料もみられたが、原油相場に対する影響は限定された。

需給面では、季節要因を反映して米原油在庫に対して減少圧力が強まり易くなっていることもポジティブ。ただ、国際需給の緩和状態には何ら変化がないとみられ、需給要因から買い進むような動きは鈍い。

引き続きドル相場の動向に注目すべき相場であり、ドルの反発傾向が続いた際に、現行価格水準を維持できるのかが問われる。米経済の減速は1~3月期がピークだったことが確認できれば、改めて下値不安が高まろう。季節要因から米国内在庫の取り崩しが促され易いが、OPECの大量供給で国際需給バランスは緩んでいる以上、需給要因で買い進むのは困難だろう。ドルが急落前の高値水準を回復すれば、50ドル台割れを試すことも十分に可能な相場環境と評価している。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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