みぞれ、台風、サンゴ白化…異例ずくめ 沖縄の天候を振り返る 2016
【2016年を振り返る】
今年2016年の日本列島も北から南まで天気のニュースが多かった年となりました。台風1号の発生は1951年の統計開始以来2番目に遅い7月3日。(最も遅い発生は1998年の7月9日)
北海道は8月の1週間で3個の台風が上陸しました。(1951年の統計開始以来初)同月に八丈島付近で発生した台風10号は、沖縄付近まで南下し、その後Uターンして北上し岩手県に上陸。(1951年の統計開始以来初)など初めての記録が多くありました。そして南の島沖縄も今年は異変の年でした。
【沖縄でみぞれを観測】
1月24日、名護と久米島でみぞれを観測しました。 みぞれは雪に含まれます。
沖縄本島でみぞれの観測は初めてとなりました。本島北部の名護で観測されたみぞれは1966年の統計開始以来初めて、久米島は1977年以来2度目の観測となります。
沖縄県民にとってはまさか沖縄に雪が降るなんてとわくわくしたものです。
【那覇で氷あられ】
沖縄地方で冷え込みが強まった1月25日未明、午前1時05分から5分間、1987年以来となる氷あられを観測しました。
【台風に関する特別警報 発表】
台風18号は10月3日に沖縄・久米島の南の海上で中心気圧 905hPa、中心付近の最大風速 60m/s、最大瞬間風速 85m/s と最も発達。久米島に接近した際、沖縄本島地方に『台風に関する特別警報』が発表されました。
久米島では59.7m/sの突風を観測した一方で那覇の最大瞬間風速は 33.6 m/s。台風慣れしている沖縄県民にとって、沖縄本島での特別警報は必要であったのかという意見がありました。
特別警報は沖縄本島と久米島を合わせた沖縄本島地方に発表されます。2年前の2014年に沖縄で初めて特別警報が発表された際は、台風に関する特別警報のあと、大雨に関する特別警報が出て困惑した方も多かったのですが、今回は対象となる地域の発表区分が難しい事例だったのではないでしょうか。
2014年 今夜にも全国初となる台風等の特別警報発表か(沖縄)
【サンゴの白化9割 海水温上昇】
石垣島と西表島の間にある国内最大のサンゴ礁”石西礁湖(せきせいしょうこ)”を環境省が調査した結果35カ所で9割近くのサンゴが白化、そのう5割を超えるサンゴが再生不能となっています。これは海水温の上昇が原因とみられ漁業や観光への影響が心配されます。ニュースで取りあげられているのは石西礁湖が主ですが、宮古島でもサンゴの白化が顕著でした。
【台風が少なかった】
『今年は台風こなかったね』と県民は口を揃えて話します。台風が接近すると暴風によって海水がかき混ぜられるため海水温が低下します。今年はサンゴの白化が深刻になっている先島諸島(宮古島地方・石垣島地方)には、9月に台風16号・17号が接近しましたが海水温の低下は一時的なものでサンゴの白化を止めるほどではありませんでした。沖縄本島への接近で顕著だったのは台風18号ですが、ピンポイントの接近となりました。
【暑さの記録】
沖縄地方は夏(6月から8月)と秋(9月から12月)の平均気温が最も高い値を更新し、沖縄周辺海域の海水温が過去最高となりました。
石垣島で最も遅い真夏日を記録しました。(11月19日30.1℃。1921年統計開始以来もっとも遅い真夏日)那覇は12月に28℃を観測(12月4日28.2℃。1910年の統計開始以来12月の最高気温更新)当日行われた2万6千人が参加したNAHAマラソンは暑さとの闘いになりました。
【ラニーニャ現象の影響は】
ラニーニャ現象が発生した事でフィリピン付近の対流活動が活発となり、沖縄付近は秋になっても太平洋高気圧の影響を受けやすい状況で、大気や海水温が高い状態が続いていました。
しかし今月9日に発表された最新エルニーニョ監視速報によりますとラニーニャ現象は来春に終息する可能性が出てきました。
2017年の沖縄の天候はラニーニャ現象の動向が鍵となりそうです。