史上初! 女子サッカー選手がNCAAトップカンファレンスのフットボール公式戦に出場へ
【女子サッカー選手に届いた1本の電話】
テネシー州ナッシュビルに位置し、米国有数のスポーツ名門校の1つ、バンダービルト大の公式サイトが現地時間の11月27日に報じたところによると、同28日に行われるミズーリ大との男子フットボール公式戦に、女子サッカー選手が出場登録された。
この選手は、4年生のサラ・フラー選手。つい先日同大が所属する「サウスイースト・カンファレンス(通称SEC)」で、26年ぶりにカンファレンス優勝を決めた女子サッカー部のゴールキーパーを務めていた選手だ。
女子サッカーのシーズンが終了し、ホリデーシーズンを家族とともに過ごす準備をしていた彼女の下に、サッカー部助監督から電話がかかってきた。
「今までフットボールを蹴った経験はあるかい?!」
【男子選手の穴埋めで緊急招集】
理由は単純だった。
今もシーズンが続いている男子フットボール部が、公式戦2試合を残し、キッカーが足りなくなってしまった。そこでキーパーとしてのキック力を見込まれ、フラー選手に白羽の矢が立ったというわけだ。
前述の質問に「Yes」と答えると、助監督はさらに質問を続けた。
「フットボール部でキッカーをやってみる気はあるかい?今週末もここに残って、フットボール部のためにキッカーをやることは可能かい?」
助監督の電話を受けた1時間後には、フラー選手はフットボール部の練習グラウンドに立っていた。そしていきなり最初のフィールドキックを成功させると、その後も次々に決めることに成功。文句なしで正式にキッカーとして採用されることになった。
【トップカンファレンス公式戦では史上初】
これまで大学フットボール界で公式戦に出場した女子選手は、すでに6人存在している。その中には、大学内でもレベルが高いと言われるNCAAの「フットボール・ボウル・サブディビジョン(通称FBS、旧ディビジョンAI)」の公式戦に出場した女子選手2人も含まれている。
だがフラー選手は、さらに特別な存在になろうとしているのだ。
バンダービルト大が所属しているSECは、大学フットボール界でも“トップの中のトップ”と言われる「パワー5・カンファレンス」(残り4つはACC、ビッグ-10、ビッグ-12、パック-12)の一角をなしており、バンダービルト大も毎年のようにNFLドラフトで指名される選手を輩出している強豪校だ。
そんな大学フットボール界屈指の強豪カンファレンスで、女子選手が公式戦に出場するのは初めてのことだ。まさに大学フットボール界に新たな歴史を刻もうとしている。
フラー選手もTwitter上に、自らの写真とともに「歴史を作ろう!」とのメッセージを投稿し、公式戦を待ち侘びている。
試合当日は、何本のキックを決めることができるのだろうか。