NPB、スタジアムでの撮影に制限 #専門家のまとめ
プロ野球・NPBは2日、プロ野球試合観戦契約約款の下部規定として「写真・動画などの撮影及び配信・送信規定」を策定した。この背景にはSNSの発展があるとされている。実際の適用は来シーズンからになる模様だ。
近年、SNSの発達だけでなく、デジタルカメラの機能が充実し、ズームレンズを使えば、誰もが「プロ並み」の写真を撮ることができるようになり、試合展開そのものよりも撮影に夢中になっているのではと思えるファンの姿も見かけるようになっており、スタジアムでの撮影は日常の風景になっている。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
デジタル機器、インターネットの発達により、誰もが気軽に撮影、そして情報発信ができるようになった今、様々な問題がスタジアムで巻き起こっている。これを受けてのNPBの新規定の制定だろうが、遅きに失した感がある。プロ野球の本場、アメリカではすでに10年以上前から、望遠レンズやノートパソコンの球場内への持ち込みは禁止され、SNS、デジタル時代に予想されるトラブルを未然に防ぐ努力がなされている。近年では、一眼レフカメラの持ち込みすら認めない球場も現れている。日本の場合、試合風景の長時間の動画撮影や後部座席の観客の視界を妨げるようなロングレンズでの撮影は今まで野放しになっており、実際、ユーチューブなどに編集された試合風景の動画が公開されていた。SNSによる選手への中傷も、この「なんでもあり」の状況の延長線上にあるのではないか。
スタジアムは第一に生観戦の場である。そのことをまずはファンも肝に銘じて「観戦」をしなければ、今後様々な規制が設けられ、窮屈な観戦を強いられることになるのではなかろうか。