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【河内長野市】西代神楽は河内長野の秋祭りの開始を告げる300年の伝統行事。今年は10月6日19時から

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

昨年までは中止、あるいは開催しても感染対策でピリピリモードで行われていた河内長野の伝統芸能も、今年は完全復活に向けて準備が進んでいますね。昨年も開催した伝統芸能と言えば、西代神楽が思い出されます。

もちろん今年も奉納される見込みですが、どのようなものか昨年取材した画像でイメージをつかんでいただこうと思います。

昨年はあいにく天気が良くありませんでした。それでもだんじり以外の伝統芸能は昨年中止となる中、西代神楽だけは行なわれるという事で西代神社に足を運びました。

だんじりが動く秋祭りの前日夜に行われる西代神楽は、まさに秋祭り前夜祭です。三百年近く前にかつて河内西代藩があったのに、無くなることになり、移動することになった殿さまを偲んで始められた伝統芸能とのことで、非常に興味深いものだと思っていました。

河内長野市指定無形民俗文化財と書いてあります。ところが中ほどから下を見ると雨のため、「武道館」での開催となりました。今年は天気が良くて本来の境内で行われると良いですね。

武道館の中に入ると神楽の準備が行われていました。

西代神楽と書いてあり、太鼓や獅子舞が置いてあります。西代神楽自体は伊勢神楽の流れを汲んでいるものとのこと。

神棚があり、結界を示す様にしめ縄があって、その中が赤いマットが敷いています。恐らくこのマットの中で神楽奉納が行われると考えられます。

天候は悪かったのですが、続々と人が集まってきました。

演目が紹介されています。「鈴之舞」「くわえ(銜)剣」と書いてあります。資料によれば、鈴と御幣で天地四方を祓い清めて舞う「鈴之舞」と、天地四方の邪気を剣で祓うのが「くわえ剣」というそうです。

獅子が登場しました。西代神楽も獅子舞が主体的に登場するようです。

獅子舞の人もその後ろの人も袴を履いています。同じ獅子舞でも日野地区獅子舞とは趣が異なりますね。

舞が始まりました。右手に持っている鈴で四方を祓い清めて舞うわけですね。

二頭の獅子が舞を始めました。

後の人が立ったままの様なので、獅子のしっぽが上がって凛としているように見えますね。

獅子が剣を加えています。これで天地四方の邪気を払っているんですね。

ここで獅子舞にありがちなことが始まりました。

子どもたちに噛みつきます。

やはり赤い大きな頭が近づくので泣いてしまう子もいます。

次の演目が始まります「四方掛(しほうがかり)」です。資料によれば天狗(猿田彦<さるたひこ>)のもつささらの音に先導され、奮い立って舞う様子が行なわれるとのこと。

外から背中におんぶされた天狗面(猿田彦)が現れました。おんぶされるのは恐らく結界が張られた舞台の外では地に足をつけることが許されないからだと思われます。ちなみに猿田彦は日本神話上では天孫降臨した邇邇芸(ににぎ)の神様を道案内した神様です。

舞台に天狗面の猿田彦が現れました。

猿田彦が手に持っているのが「ささら(簓)」。これを調べると竹や細い木の先をこまかく割って束ねて作製される道具で、伝統的な大衆舞踊などで装身具と使用されるそうです。

二頭の獅子が、真ん中の天狗(猿田彦)に操られているようですね。

実は動画も撮影しました。どんな舞なのか参考までにご覧ください。

猿田彦は帰りも舞台の外では、おんぶされて去っていきました。

次は「玉之舞」です。玉を取ろうと苦心する様子が見られるとのこと。

またおんぶされて登場しました。今度は資料上では何者かは書かれていません。

見たところ、老いた農夫のように見えます。

杖を突き腰を曲げて腰を撫でながら動いている様子が、やけにリアリティあります。

獅子と対峙します。

説明にもあるように、農夫らしき人が獅子から玉を取ろうというシーンが繰り広げられます。

必死で玉を取ろうとしますが、獅子がうまくそれをかわすシーン。

見ていて非常にコミカルな舞でした。

次は、「神来舞(しぐるま)」と「白獅子」です。資料によれば、神来舞は単調な曲合わせで、鈴と御幣を捧持して舞うそうで、白獅子は奮い立って蚕(かいこ)を取って、さらに虫を追う勇壮な舞とのこと。

二頭の獅子が対峙しています。手には鈴と御幣を持っています。

二頭の獅子が激しく舞っています。

これはこの日最後の舞でした。一頭の獅子だけの舞。

本当に生きているように動いている獅子が印象的でした。

こうしてこの日の神楽は終了しました。昨年はまだ感染対策をしながらの練習なのですべてを演じることができなかったとのこと。本来は10の演目があり、昨年は次の演目が行われませんでした。

  • 「歌剣」剣と御幣をもって舞う
  • 「吉野舞」剣を扇にもちかえて優雅に舞う
  • 「扇の舞」扇を得て乱舞する
  • 「花の舞」起しと真似師(まねし)の問答に獅子がからまって舞う

今年は見られるかもしれませんね。また本来の姿である、外の舞台で演じる姿を見たいと思いました。西代神楽は秋祭りの前日の金曜日(今年は10月6日)の夜19時から行われるそうなので、仕事帰りになどで河内長野の伝統芸能を見に行ってはいかがでしょう。

西代神社
住所:大阪府河内長野市西代町16-5
アクセス:南海・近鉄河内長野駅から徒歩15分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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