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【河内長野市】高野山参詣の足跡!ふるさと歴史学習館の高野街道展は29日まで。連休は花の文化園とはしご

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野は南海高野線沿いにあり、西高野街道と高野街道沿いに線路が敷かれています。通常大阪市内方面から高野山に行く際、河内長野は特急が停まりますが通過されることが多いようですね。

河内長野駅前
河内長野駅前

しかし、昔は現在の近鉄長野線沿いに東高野街道があり、河内長野駅前で東西の高野街道が合流していてました。さらに南に歩くと三日市町駅の周辺に三日市町宿がありました。つまり単なる通過点ではなかったのです。

高野街道の河内長野で一休み(かわちながのでひとやすみ)というコンセプトの元、ふるさと歴史学習館で、KOYA KAIDO STORY(高野街道展)が9月29日まで行われています。

ふるさと歴史学習館は、最近攻めているというか、果敢に新しいことにチャレンジしている印象があります。先月も8月3日の夜1日だけ限定で、ナイトミュージアムという企画が行われていました。

ふるさと歴史学習館の照明をあえて消して暗くした空間でクイズに挑戦したり、紙芝居風の民話の朗読を聴いたりできました。帰りには缶バッチづくりも体験できたのです。

KOYA KAIDO STORYは、ナイトミュージアム開始の時点で開催していたのですが、ナイトミュージアム開催中は暗闇の中で見えにくいと感じましたので、日を改めて見学させていただくことにしました。

改めてふるさと歴史学習館の展示室入口に来ると、いきなり見慣れないオブジェがありました。これは高野山女人堂まであと九里(約35.3キロメートル)の地点にある石碑を再現したものです。

ちなみにこの石碑があるのは、河内長野駅近くの古野町(西高野街道沿い)です。

通常展示室を過ぎて、奥の企画展の前に来ると、またしても石碑のオブジェがあります。こちらは八里です。

八里塚も現存しているものがあります。場所は南海三日市町駅の南側、石見川のほとりにあります。

ふるさと歴史学習館の学芸員の方の話によると、正面の文字は完全に再現したそうですが、再現したのは文字だけではありません。

こちら、発泡スチロールで作られたのですが、わざと石碑のように凹凸を強調しているというのです、できるだけリアリティに再現したというのですから、もうこれはアート作品ですね。

さて、ここからが本題です。今回のコンセプトは「河内長野でひとやすみ」ということで、三日市宿で雨宿りをしながらひとやすみということで、市内にある高野街道にまつわる展示物が集まっています。

注意したいのは、ひとつだけ撮影禁止の文化財があることです。画像の右隣にそれがあり、私も撮影していません。ただそれを模したものが左に展示してあり、それは撮影可能でした。

高野街道が長野(河内長野駅前)で合流する前は東西の高野街道があり、さらに西高野街道には中高野街道や下高野街道に分かれている旨の説明でした。

中世を中心とした説明版があります。

河内長野市エリアの高野街道に関する記載では、平安末期の記録が最初とのこと。鳥羽上皇に従った藤原忠親が山槐記(さんかいき)という日記に書かれています。

その山槐記での、高野詣での日記の文章が引用されております。

強調しているところを拡大しました。土砂降りになったので、長野の田屋で食事をとる。帰りは土砂降りになったので長野で宿をとるなどが書いてあります。強調していないところでも「長野付近で武者の一団と遭遇した」というやりとりが、リアリティある文章で書かれています。

山槐記の記載の一部を取り出して、ふるさと歴史学習館の展示室内に掲示してあります。

どの文章がどの場所の掲示されているのか、山槐記本文展示と見比べてみるのも良いですね。

ふるさと歴史学習館の学芸員さんによれば、入口も雨をイメージして作ったそうです。

山槐記以外にも気になる展示物があります。こちらは三日市町宿の看板で明治時代のものとのこと。福岡県とのつながりがある宿です。

そしてこちらは、烏帽子高札と呼ばれるもので、上田宿の高札の本物です。

上田地区に行くとレプリカが掲げられていますが、現在は本物が見られるまたとないチャンスです。

ほとんど字が消えているため、何が書いてあるのか説明書きがあります。

そして学芸員さんが面白いことを言ってくださいました。墨で書かれていたところが浮き彫りになっているというのです。拡大すると確かに文字の部分が浮き彫りになっていますね。

また。高札の記載内容は同じでも、担当の代官が代わるとその部分を削って書き換えたため、このように代官の署名の部分だけが低くなっています。

こちらは当時の三日市宿と北側にあった上田宿を再現したジオラマです。

三日市宿と言えば、どうしても幕末の天誅組ゆかりの油屋を連想しますが、油屋も再現されていました。

そして上田宿と三日市宿の切れ目ですが

現在は旧国道があり、「高野街道三日市宿」と書かれた陸橋があります。

三日市駅近くの様子です。現存する八木家なども教えてくださいました。

そしてこちらは柚子寺でお馴染みの盛松寺さんの展示。高野街道といえば河内長野駅より南側の印象がありますが、北側の千代田駅周辺にも足跡があります。

そして、千代田駅から天見駅まで各沿線で見られる高野街道の足跡を絵図面にしたものが展示しています。千代田、河内長野、三日市町

美加の台から千早口、そして天見と南海沿線の各駅と、現存する足跡が紹介されています。

絵図面は4枚ありますが、白黒で印刷したものがあり、誰でも持ち帰えられます。

企画展の関連講演会が明日15日に三日市市民ホール(フォレスト三日市3階)で行われます。13:30~15:00までで無料で、当日受付先着150名まで参加できます。そして講師が、ふるさと歴史学習館の太田宏明館長とのこと。講演会を聴いてから展示物を見学すると、より深く内容が理解できると考えられます。

ついでに常設展示も拝見しました。

学芸員の方の話では、通常展示でも新しい展示物にマイナーチェンジする場合があるそうです。企画展だけでなく通常展示もその都度確認してみてはいかがでしょう。

さて、ふるさと歴史学習館の周辺には、くろまろの郷や木根館、そして大阪府立花の文化園があります。先日花の文化園からメッセージが届き、現在はウリウリジャングルが行われているとのこと。以下七種類のウリ科の植物を展示しています。

  1. ヘビウリ(カラスウリ属:原産地インド)
  2. ヘチマ(ヘチマ属:原産地インド)
  3. ヒョウタン(ユウガオ属:原産地アフリカ)
  4. オモチャメロン(キュウリ属:原産地アフリカ)
  5. オモチャカボチャ(カボチャ属:原産地北アメリカ南部から中央アメリカ)
  6. スズメウリ(スズメウリ属:原産地日本)
  7. カラスウリ(カラスウリ属:原産地中国、日本)

また、はなぶん秋桜日和によると、9月15日日曜日、16日祝日や21日土曜日、22日日曜日に様々なイベントが行われるとのこと。

明日15日に行われるイベントでは、イベントホールで「秋も楽しむ花の文化園」ということで、マルシェ出店や雑貨販売、ワークショップ、占いが行われます。

16日にはサトスポさん主宰で、親子で楽しめるスポーツチャレンジやスポーツ教室も行われます。

さらにこちらも16日ですが、3時間のフリーライブが行われます。そして当日はキッチンカーも数多く出るのでいろんな食べ物があるとのこと。この連休はふるさと歴史学習館の特別展に見学に行くついでにでも、花の文化園とはしごして足を運んで共に楽しめます。

河内長野市立ふるさと歴史学習館

住所:大阪府河内長野市高向2230-5

TEL:0721-64-1560

企画展日時:2024年9月29日まで 9:00~17:00

定休日:月曜(月曜が祝日の場合は翌日)、年末年始

アクセス:南海・近鉄河内長野駅からバス 道の駅奥河内くろまろの郷バス停から徒歩6分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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