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U-17W杯日本代表21名全員ガイド。日本の未来を担う精鋭たち

川端暁彦サッカーライター/編集者
2002年1月1日以降に生まれた選手たちで構成される(写真:佐藤博之。以下同じ)

世界舞台へ挑む日本の未来

 日本時間10月28日からU-17日本代表の世界での戦いが幕を開ける。ここでは初のベスト4を狙う21名の精鋭たち全員を一挙に紹介したい。

 基本となるフォーメーションは[4−4−2]なので、それに沿った形で紹介してはいるが、マルチロールの選手が非常に多いので、あくまで便宜的な分類である。また、フォーメーションについても複数のバリエーションが準備されている。

【ゴールキーパー】

左から鈴木、野澤、佐々木。まれに見るハイポテンシャルな3人だ
左から鈴木、野澤、佐々木。まれに見るハイポテンシャルな3人だ

No.1

鈴木 彩艶(すずき・ざいおん)

浦和レッズユース

2002年8月21日生

187cm/85kg

浦和レッズジュニアユース出身

2年前のU-17W杯、今年5月のU-20W杯をいずれも飛び級で経験しているが、どちらも第3GKとしての帯同だった。当然ながら「今度こそ絶対に出たい」という気持ちは強い。屈強かつ俊敏な肉体を活かしたセービングが最大の魅力だが、ロングキックの質も非常に高い。米国生まれの埼玉育ち。

No.12

野澤 大志ブランドン(のざわ・たいしぶらんどん)

FC東京U-18

2002年12月25日生

193cm/90kg

FC琉球U-15出身

クリスマスに生まれた“しまんちゅ”守護神。FC琉球U-15からより高いレベルの成長を求め、高校からFC東京のアカデミーへ加入した。193cmの長身は断トツの最長身で、ポテンシャルの高さは折り紙付き。アジア予選では腐ることなく練習を続け、大会途中からポジションを奪い取るなど気持ちも強い。

No.21

佐々木 雅士(ささき・まさと)

柏レイソルU-18

2002年5月1日生

184cm/75kg

柏レイソルU-15出身

柏のアカデミーで育ったGKの例に漏れず、巧みな足技を備えてビルドアップに長ける現代型。ただし、ビルドアップはあくまで長所の一つで、巧みな足運びからのビッグセーバーとしての印象も強い。今季は高円宮杯プレミアリーグでも活躍を続け、高レベルな争いを制してメンバー入りを果たした。

【センターバック】

日本の壁。左から鈴木、半田、村上
日本の壁。左から鈴木、半田、村上

No.2

鈴木 海音(すずき・かいと)

ジュビロ磐田U-18

2002年8月25日生

182cm/68kg

ジュビロ磐田U-15出身

高い身体能力と確かな技術を兼ね備える大型DF。センターバックでの先発が予想されるが、右サイドバックもこなせる。アジア最終予選初戦では「体を張らない」守りから失点して雷を落とされたが、「もう二度とあんな守備はしない」と誓った通り、ゴール前の泥臭いプレーでも信頼できるDFへ成長した。

No.3

半田 陸(はんだ・りく)

モンテディオ山形ユース

2002年1月1日生

177cm/70kg

モンテディオ山形ジュニアユース村山出身

走る・跳ぶ・競る能力を高いレベルで持ち、常に沈着な対応も光る守備の支柱にしてキャプテン。今年はトップチームでリーグ戦5試合も体感しており、経験値という意味でも申し分ない。センターバック起用が有力だが、戦況やチーム事情によっては右サイドバック起用もあり得る。めでたい正月生まれ。

No.15

村上 陽介(むらかみ・ようすけ)

大宮アルディージャU18

2002年2月4日生

183cm/77kg

FCトッカーノ出身

「ヘディングに関してはこのチームでも一番」と指揮官から信頼を置かれるエアバトラー。単なる跳ね返し職人というわけではなく、ボールを繋いでゲームを作るスキルも備える。全体に高さ不足の日本に対して相手がパワープレーに来ることも予想され、その対策での交代出場もあり得る。

【サイドバック】

左から中野伸、畑、角。いずれも「攻撃派」のSBだ
左から中野伸、畑、角。いずれも「攻撃派」のSBだ

No.4

中野 伸哉(なかの・しんや)

サガン鳥栖U-18

2003年8月17日生

167cm/49kg

サガン鳥栖U-15出身

唯一高校1年生でのメンバー入りとなった攻撃型の左サイドバック。ビルドアップの起点として機能しつつ、オーバーラップからフィニッシュワークにも絡む力を持つ。左利きだが、右足も違和感なく使える点も強み。小4で鳥栖U-12のセレクションに落ち、その悔しさをバネに急成長を遂げた過去を持つ。

No.5

畑 大雅(はた・たいが)

市立船橋高

2002年1月20日生

175cm/70kg

AZ‘86東京青梅出身

長距離ランナーとしての資質と短距離スプリンターとしての能力を兼ね備えた「虹色の筋肉の持ち主」(前U-20日本代表コーチ・秋葉忠宏氏)。体力測定では持久力の数字でチーム1位を記録し、スピード系の項目でも屈指の数字を残した。課題はビルドアップだったが、そちらも着実に改善。来季湘南ベルマーレ加入内定済み。

No.18

角 昂志郎(すみ・こうしろう)

FC東京U-18

2002年8月13日生

165cm/61kg

東京武蔵野シティFC出身

チーム結成以来のメンバーだが、アジア最終予選後から負傷が重なり離脱を続ける「本当に苦しかった」時期を過ごした。メンバー入りも危ぶまれていたが、ギリギリで間に合った。本来は攻撃的MFで巧みなドリブルからの持ち主。“角システム”と言うべき変則3バックの布陣はこのチームの隠し武器である。

【ボランチ1】

左から藤田、田中。共に今年に入ってから代表入りした成長株だ
左から藤田、田中。共に今年に入ってから代表入りした成長株だ

No.6

藤田 譲瑠チマ(ふじた・じょえるちま)

東京ヴェルディユース

2002年2月16日生

172cm/72kg

東京ヴェルディジュニアユース出身

昨年は所属チームでも出場機会を得られていなかった選手だが、今季から急台頭。「サッカーIQが非常に高い」と森山佳郎監督に見初められると、「すぐに常連選手みたいな雰囲気になった」(同監督)という驚異的順応力でチームにフィット。ポゼッションプレーに長けており、中央のMFに加え、サイドバックでもプレーできる。

No.17

田中 聡(たなか・さとし)

湘南ベルマーレU-18

2002年8月13日生

172cm/67kg

AC長野パルセイロU-15出身

「自分はこの中で一番ヘタクソだと思っているし、戦うところと走るところで違いを見せないといけない」と語るダイナモ系MF。左足からの強烈なシュートも持っているが、「キックは武器になるほどでは…」とあくまで泥臭さを押し出す考えだ。中央のMFが基本だが、左右のMFや左SBでの起用も考えられる。

【ボランチ2】

左から横川、山内。アジア予選はこの二人を軸に勝ち残った
左から横川、山内。アジア予選はこの二人を軸に勝ち残った

No.13

横川 旦陽(よこかわ・あさひ)

湘南ベルマーレU-18

2002年5月26日生

175cm/64kg

湘南ベルマーレU-15出身

攻守にわたる豊富な運動量と体を張った守りが光る守備的MFで、技術的にも確かなモノを持つ。今年は負傷で大きく出遅れてしまって影響も懸念されたが、何とか復調してきた。中央のMFに加えて、湘南U-18ではリベロでもプレーしており、「4人目のCB」(森山監督)ともなる。

No.16

山内 翔(やまうち・かける)

ヴィッセル神戸U-18

2002年1月6日生

177cm/74kg

ヴィッセル神戸U-15伊丹出身

ボールテクニックと視野の広さを生かした展開と、ダイナミックな攻撃参加を武器とするセントラルMF。ポゼッションプレーに長けることから、試合を落ち着かせたい状況で途中から投入されることも。実はこの手のタイプでは珍しくスピードもあり、攻守両面で速さを“効かせる”場面がある。

【サイドハーフ1】

左から成岡、三戸。崩しの軸となるチームのキーマンだ
左から成岡、三戸。崩しの軸となるチームのキーマンだ

No.8

成岡 輝瑠(なるおか・ひかる)

清水エスパルスユース

2002年7月28日生

170cm/56kg

清水エスパルスジュニアユース出身

技術と戦術眼、サッカーIQの高さを兼ね備える中盤の万能戦士。小柄でフィジカル面にやや弱みを抱えていたが、「計測するたびに数値を上げてきた」(森山監督)。特にスピード系の数字が伸びており、瞬間的な速さを使って怖さを出せるようになっている。今大会はフィニッシュに絡む大仕事に期待大。

No.7

三戸 舜介(みと・しゅんすけ)

JFAアカデミー福島U18

2002年9月28日生

158cm/50kg

JFAアカデミー福島U15出身

おそらく大会全体を見渡しても小さい部類の選手だが、機動力と運動量、そして何より機転の利く、賢いプレーでそのハンディを補う。また、体の大きい相手にも果敢に体をぶつけていくファイターでもある。自ら課題として認め、懸命に取り組んできたシュート練習の成果も見せる大会となる。

【サイドハーフ2】

左から中野桂、田村。二人とも明確な武器を備える、“使いどころ”の見える選手だ
左から中野桂、田村。二人とも明確な武器を備える、“使いどころ”の見える選手だ

No.14

中野 桂太(なかの・けいた)

京都サンガF.C.U-18

2002年8月27日生

167cm/64kg

京都サンガF.C.U-15出身

左足から繰り出されるミドルシュートやフリーキックに特級の価値を秘めるレフティーで、サイドハーフ、トップ下などでプレーする。また練習試合などではボランチでの起用も試された。守備面に課題もあったが、それも着実に改善してきた。ちなみにこのヘアスタイルは予選時のモノで、今はフサフサ。

No.19

田村 蒼生(たむら・そうき)

柏レイソルU-18

2002年4月20日生

165cm/56kg

柏レイソルU-15出身

自らのプレーイメージを「攻撃の潤滑油として機能しながらドリブルやラストパスのところでアクセントを付けていく」と形容する。「時間の作り方やキープ力の部分」では、同じ技巧派MFである日本代表の中島翔哉を参考にしている。スーパーサブ的な起用もありそうな“変化”を生み出せる選手だ。

【ストライカー1】

左から若月大和と西川潤。高校サッカー界を代表する両FW
左から若月大和と西川潤。高校サッカー界を代表する両FW

No.9

若月 大和(わかつき・やまと)

桐生第一高

2002年1月18日生

170cm/68kg

前橋SCジュニアユース出身

爆発的な加速力と小柄ながら当たり負けしないパワー、連続プレスを実行するスタミナを兼ね備えるストライカー。「自分はあくまで泥臭く」とゴールに突進していく。相棒の西川からも「スピードがあってパスを出しやすい」と評される。来季湘南加入が内定済みで、すでに特別指定選手として公式戦も経験済み。

No.10

西川 潤(にしかわ・じゅん)

桐光学園高

2002年2月21日生

180cm/70kg

横浜F・マリノスジュニアユース出身

今年はU-20W杯も飛び級で経験も、悔いも残した。今大会に向けては「一番大切なのは献身的であること」と強調しつつ、同時に「絶対に結果も残したい」と意気込む。技術と身体能力を兼ね備え、左足から繰り出すパワフルなシュートが武器だが、実は右足での得点も多い。改善に努めてきた頭での得点も期待。

【ストライカー2】

左から予選突破の功労者である唐山、秘密兵器の光田
左から予選突破の功労者である唐山、秘密兵器の光田

No.11

唐山 翔自(とうやま・しょうじ)

ガンバ大阪ユース

2002年9月21日生

178cm/65kg

ガンバ大阪ジュニアユース出身

今季はユースでゴールを量産し、J3に参戦中のG大阪U-23へ引き上げられると、そこでも7試合7得点。「点を取るイメージができている」と胸を張るとおり、点取り屋として目覚めつつある。スーパーサブ起用もありそうだが、「途中から出たほうが点は取りやすい」とニヤリ。ゴールの申し子が世界へ挑む。

No.20

光田 脩人(みつだ・しゅうと)

名古屋グランパスU-18

2002年11月25日生

165cm/60kg

ソシエタ伊勢FC出身

今年8月に初代表というシンデレラボーイで、「ちょっと前までは想像もしていなかった」と笑う。森山監督が「最後に切れるカード」として見出したスピードと技術を併せ持つドリブラー。「自分みたいなのが途中から出て来たら相手は絶対に嫌だと思う」と本人もジョーカー起用に自信を見せる。

選手、スタッフ一丸となって夢の世界舞台へ挑む(写真:川端暁彦)
選手、スタッフ一丸となって夢の世界舞台へ挑む(写真:川端暁彦)

U-17W杯大会日程(時間は日本時間)

【グループステージ】

10月28日 午前8時〜 第1戦「vsオランダ」

10月31日 午前8時〜 第2戦「vsアメリカ」

11月3日 午前8時〜 第3戦「vsセネガル」

【ノックアウトステージ】

11月6日〜8日 ラウンド16

11月11日〜12日 準々決勝

11月15日 準決勝

11月18日 決勝、3位決定戦

サッカーライター/編集者

1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。2002年から育成年代を中心とした取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月をもって野に下り、フリーランスとしての活動を再開。古巣の『エル・ゴラッソ』を始め、『スポーツナビ』『サッカーキング』『サッカークリニック』『Footballista』『サッカー批評』『サッカーマガジン』『ゲキサカ』など各種媒体にライターとして寄稿するほか、フリーの編集者としての活動も行っている。著書『2050年W杯日本代表優勝プラン』(ソルメディア)ほか。

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