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NY原油13日:米製油所稼働率低下で、小反落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

NYMEX原油6月限 前日比0.25ドル安

始値 61.23ドル

高値 61.85ドル

安値 60.40ドル

終値 60.50ドル

米製油所稼働率の低下が嫌気され、小反落した。

米エネルギー情報局(EIA)発表の原油在庫は前週比-219.1万バレルの4億8,483.1万バレルとなり、在庫削減圧力が徐々に強くなっていることが確認されている。季節トレンドに沿った動きだが、ガソリン生産期に向けて製油所向け原油需要が膨らみ易いことに加えて、米国内のシェールオイル生産が鈍化していることが、在庫増加トレンドの反転を促しつつある。このため、一時は61.85ドルまで買われる場面も見られたが、そこから更に上値を試すことには失敗している。

製油所稼働率が前週比-1.8%の91.2%と急低下したことが、今後の在庫取り崩しに対するリスク要因として認識された模様。製油所向け原油需要は前年同期の水準を上回っているが、原油価格の上昇で精製マージンに縮小圧力が強まり易くなる中、需要が現在のレベルを維持できるのか、やや慎重な見方が広がった。

もっとも、為替相場がドル安方向に振れる中、敢えて原油相場を大きく売り込むような動きまでは見られなかった。今週は米国内産油量も前週比で上振れしているが、引き続きドル相場の動向に対する関心が高い。欧州債利回りの上昇でドルからユーロに対する資金シフトの動きが観測される中、ドル高に終止符を打てるまでは、ドル建て原油相場には上振れリスクが残されることになる。

国際エネルギー機関(IEA)の5月月報では、石油輸出国機構(OPEC)のシェア維持に対する挑戦が始まったばかりとの注意喚起が行われているが、マーケットの反応は限定的。4月のOPEC産油量は2012年9月以来の高水準となり、更に増産が進む可能性が警告されている。

急激な原油高は一服しているが、改めてドル高トレンドへの回帰がみられなければ、大きな値崩れは起きづらい。目先はドル高回帰の動きと連動して調整圧力が強まる展開を想定しているが、為替相場が決め手を欠いていることが、金相場同様に原油相場の方向性も失わせている。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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