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洗濯機の設定を変えるだけ?梅雨でも洗濯物がさわやかに乾く部屋干し攻略法

ハナおうちクリーニング(洗濯)研究家

雨続きで外に洗濯物を干せない。部屋には干す場所もないし、乾かないし、なによりも部屋干し臭が怖い。

じつはこれらの「部屋干し3大悩み」はちょっとしたコツや100円グッズで簡単に回避することができます。

本日は雨でも部屋干し臭なしでサラッと乾く部屋干しのコツをお伝えします。

全部実践しなくても、どれか一つでも試してもらえると効果ありますよ。

洗濯機の設定を変えるだけ?部屋干し臭を回避する方法

まずは最も悩み深い部屋干し臭から解決しましょう。

部屋干し臭を回避する方法は2つ

・細菌とそのエサとなる汚れをしっかり取る

・細菌が増殖する5時間以内に乾かす

ほとんどの方が洗濯には洗濯機を使っていると思います。

だけど、「スタートボタン」を押すだけになっていないでしょうか?

ほんの少し洗濯機の設定をカスタマイズするだけで仕上がりが全く違ってくるので、スタートボタンを押すだけではもったいないですよ。

ニオイが気になる季節は洗濯機の水量をあげる

普段は節水を心がけている方が多いと思いますが、洗濯物のニオイが気になるという場合は少し水量を上げてみましょう。

洗剤が汚れを落としていると思っている方が多いと思います。だけど、汚れを落としているのは洗剤だけではないんです。

洗剤で汚れを浮かせたあとにその汚れを洗濯物から剥がしとって洗い流すのは「水」と「脱水」です。

ぼぼ全ての洗濯機は「汚れ落ち」よりも「節水」仕様になっており、梅雨の雑菌や夏の汗をたっぷり吸った衣類を気持ちよく洗うには水量が足りません。

節水も大切なんですが、水量が多い方が汚れはよく落ちます。

汚れやニオイが気になる季節は水量を上げて、すすぎ1回対応の液体洗剤でもすすぎを2回で設定してみてください。

少ない水で洗うドラム式洗濯機などは特に、水量を上げてすすぎを2度にすることで黒ずみなどもスッキリ落ちます。

洗濯機の「部屋干しコース」を使ってみる

お気づきでしょうか?洗濯機に「部屋干しコース」があることを

全ての洗濯機に搭載されているわけではないですが、各社多くの洗濯機に搭載されています。

だけど、使ったことがないという方も多いんじゃないですか?

部屋干しコースとは、ヒーターや風を使って乾きやすくしたり、最近流行りのナノバブルを発生させてり、各メーカーや機種によって方式は様々ですが、それぞれ部屋干しに適した工夫をされています。

せっかくついている機能は使いましょう。

使用している洗濯機に「部屋干しコース」の有無を一度確認して、もし付いていたら使ってみてくださいね。

ニオイ問題は5時間以内に乾かせば解決

部屋干し臭の原因になるのは細菌(モラクセラ菌)。

細菌は5時間以上衣類が湿った状態にあると爆発的に繁殖します。なので部屋干し臭を防ぐには細菌の繁殖が活発になる5時間以内に乾かす必要があります。

部屋干しの基本「アーチ干し」

まずは部屋干しの基本「アーチ干し」。

長いものを外側に、内側にいくに従って短い衣類を配置することを「アーチ干し」といいます。

このアーチ型に干すことで洗濯ものが早く乾きます。

なぜ早く乾くのはまだ完全には解明されていませんが、LIONがコンピューターシュミレーションをした結果、下降気流が発生することがわかりました。

これによりアーチ干しだとガタガタに干した時よりも早い風が発生して、乾燥時間が早まっているのではないかといわれています。

私が乾く速さを試した時は長さをガタガタにして干すよりも30分近く早く乾きました。

サーキュレーターで効率よく風を送る

部屋干しで風がない状態のときはサーキューレーターを利用します。

サーキュレーターは扇風機よりも強い風を洗濯ものに当てることができ効率的に洗濯物を乾かすことができます。

また、衣類の真下から風を送ることができるので、水分が溜まりがちな下部に風をあてて衣類の内側にも風を送ることができるので効率よく洗濯物を乾かすことができるのです。

日常的に部屋干しする方は安価なものでもいいのでサーキュレーターの購入をおすすめします。

サーキュレーターがない場合は扇風機で代用しても、通常に部屋干しするよりはずっと早く乾きます。

洗濯物同士の間隔を開ける

間隔をあけることで衣類の間に風を通りやすくします。

最低でもこぶし1個分、できればこぶし2個分くらいの間隔を開けてください。

厚手のものは裏返しにして干す

衣類でもっとも乾きにくい場所は折り重なった縫い目や布が重なるポケットなどです。

表面が乾いていても、内側の重なった縫い目のところが生乾きだったという経験があるのではないでしょうか?

衣類を裏返しにして縫い目を乾きやすい表面にもってくることで全体がムラなく早く乾きます。

布の重なりを解消する

パーカーのフードの裏など、布が重なる部分は乾きにくいので、その場合は逆さにして干すと重なる部分がなくなり早く乾きます。

バスタオルも重なりをズラすことで重なる部分が少なくなって早く乾きますよ。

速乾ハンガーを使う

こちらの商品はニトリで3本407円(税込)、同じ形状のものがダイソーで1本110円(税込)で販売されています。

これは私の部屋干し一推しアイテムです!

このハンガーは、肩の部分をくるり回すことができて、厚みが2.5cmから8.7cmへ変化します。

肩の部分が開くことにより衣類の内側に空間がでできるので、洗濯ものが早く乾くという仕組み。

肩を開いた状態→2時間30分

肩を閉じた状態→3時間30分

完全に乾くまでに1時間も差が出ました。サーキュレーターを併用することで、さらに時間は短くできます。

部屋干しの場所は100円グッズで作れる

100円ショップのグッズを使って部屋の中に簡単に干場を作ることができます。

スチール製で丈夫なダイソー「ハンガーフック」

基本的にはドア付近は風の通り道になりますので、部屋干しにはピッタリ。

ドアやドア枠に設置できる部屋干しグッズが100円ショップにもたくさん販売されています。

その中でも私がおすすめしたいのはダイソーの「ハンガーフック(税込110円)」

ドア枠や窓枠などに引っ掛けて使います。

ネジもクギも必要ないので、賃貸マンションでも使えます。

ひとつでも使えますが、このハンガーフックを2つと、

あと、どのご家庭にも1つはあるであろう突っ張り棒を組み合わせると

風通しのよいドア付近に大容量の干場を作ることができます。

ダイソーのハンガーフックはスチール製で丈夫です。耐荷重はひとつ3kgなので二つ使うと6kgもの洗濯物に対応。

シーツが1/4のスペースで干すことができる「スパイラルハンガー」

100円ショップのダイソーで販売されているスパイラルハンガーはシーツをスパイラル状になったハンガーに巻きつけて干すことで、干すスペースが1/4になるというスグレモノ。

効率よく風が中まで通る構造になっているので、平たく干すのと変わらない時間で乾燥させることができます。

100円ではなく500円商品ですが、お値段以上のアイテムです。

じつはメリットたくさんの部屋干し

「部屋干し」と聞くと梅雨や天候によって外に干せないときに仕方なくというネガティブなイメージですよね。

だけど、部屋干しってメリットもたくさんあるんです。

服へのダメージが軽減される

衣類の洗濯表示を確認すると多くの衣類の洗濯表示には陰干しのマークがつけられています。

これは太陽の光にあてて干すことで衣類が傷む可能性があることを意味します。

紫外線は肌に対して少なからずダメージを与えてしまうことは誰もがご存知だとは思いますが、それは衣類も同じです。

光脱色(退色)といって、染料が太陽の光で分解されることによって赤や紺色などの色が抜けてしまったり、タオルは夏場に長時間外に干すと必要な水分までも抜けてしまってゴワゴワと硬くなってしまうことがあります。

部屋干だとそんな衣類へのダメージを軽減することができるのです。

時間的な余裕ができる

平日働いている方は、休日にまとめて洗濯するというパターンが多くなりがちですが、せっかくの休日が洗濯で半日潰れてしまうなんて楽しさ半減です。

部屋干しのコツを知ると、平日の夜にも干すことが可能。ゆっくり寝ていたい休日の朝が洗濯で潰れるなんてことがなくなります。

最近は部屋にエアコンが入っていたり、24時間換気をしてる家庭も多く、夜はもちろん、冬場も部屋で干す方が早く乾きます。

エアコンや除湿器を併用することで部屋干し臭の心配をしなくてもよくなりますよ。

天候に影響されない

雨が続く梅雨、突然の豪雨など、外出時に家で干していた洗濯ものが濡れる心配をする人が多いのではないでしょうか。

部屋干しなら雨の心配は不要。

雨や曇りの日だって、安心して干せます。

花粉や排気ガスがつかない

天気の良い日に天日干しをすると気持ちの良いものですが、その気持ち良い空気には排気ガスやホコリも含まれています。

季節や場所によっては花粉、黄砂なども飛来します。

部屋干しなら排気ガスで洗濯物が黒ずむことも、花粉を部屋に持ち込む心配も必要ありません。

その他、洗濯物を干すという目的以外にも戸建てやマンションの1階にお住まいの女性にとっては下着など防犯面でのメリットもあります。

天日干しと部屋干し、ライフスタイルに合わせてうまく使い分けましょう

部屋干しといえば

・乾かない

・場所がない

・部屋干し臭

と、ネガティブなイメージですが、じつはメリットもたくさん。

洗濯機の水量設定を少し上げることで汚れをよく落とし、グッズや風を効率よく使うことで部屋干しの悩みは解消されます。

天気の良い日に天日干しするシーツの気持ちよさは格別ですし、絶対に部屋干しじゃないとダメということはもちろんありません。

部屋干しのコツを覚えて洗濯スキルとして選択肢を増えやしてください。

梅雨時だけでなく、部屋干しでも気持ちよく干せれば選択の幅が広がります。

自身のライフスタイルに合わせて上手に使い分けてみてくださいね。

おうちクリーニング(洗濯)研究家

年間100以上の洗濯グッズを自腹で試すおうちクリーニング(洗濯)研究家。世の中に当たり前のようにある洗濯に関する常識が本当なのか?売れている商品は本当に使えるのか?そんな疑問を実際にやってみて、誰もが目に見えるかたちで公開するブログ「洗濯ラボノート」を運営。雑誌「LDK」、「LEE」、「Mart」、「GISELe」、「ESSE」、「大人のおしゃれ手帳」など多数掲載。関西を中心にテレビにも出演。

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