「にわか」ファンが4割 ラグビートップリーグ開幕戦
先週末にラグビートップリーグが開幕した。ワールドカップの後ということで、見る側、運営側、選手、メディア、皆がそれぞれ期待した。その結果、昨年の開幕戦を大きく上回る観客が各会場に駆けつけた。
公式発表の観客数では、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場の23,004人で最も多く、秩父宮ラグビー場にも2万人以上が集まった。この観客増の要因になっているのが、「にわか」ファンであると言われている。「にわか」でも観に来てもいいですよとのメッセージは、写真にあるようなリーグの取り組みからも伝わってくる。
では、実際に「にわか」ファンはどのくらいいるのだろうか?
日本ラグビーフットボール協会が早稲田大学に委託している「ラグビー観戦者の属性および消費者心理と行動に関する研究」による観客調査(1月12日:秩父宮ラグビー場)の速報値によると、約4割の39%が自称「にわかファン」であった(質問紙調査の当該質問項目回答者482名中188名)。観客増加分のすべてが「にわか」ではないようだが(既存ファンも刺激されて来場している)、この割合はかなり高いのではないだろうか。
さて、この自称「にわかファン」は、いつまで「にわか」なのか?
ファンとして定着する?あるいはブームの終わりとともにいなくなってしまう?
上記調査では、にわかファンの95%が「今後も継続してラグビーの試合をテレビや試合会場で観戦するだろう」と回答している。これは相当高い割合であり、「にわかではない」ファンの98%という値と比べても遜色ない。これはラグビー人気の継続をかなり期待したくなる調査結果である。
この質問項目のような「行動意図」は、理論的には実際の「行動(つまり、継続して観戦する)」を導くと考えられ、今後の行動の予測要因として使われる。しかし、この回答者全員が継続観戦することは現実的には考え難いことからも、その予測要因としての確度は残念ながら高くはない。
今後「にわか」が取れた「ファン」に継続して観戦してもらうため、チームやリーグ、協会などの関係者には、この数字に期待しつつ、ただし楽観することなく、組織的で継続的な集客戦略に注力することが求められる。