福島県沖の地震、二次災害を防ぐことが大事
2月13日深夜に発生した福島県沖の地震で、国立研究開発法人防災科学技術研究所は地震発生から1時間も経過しない時点でホームページ上にクライシスレスポンスサイトを立ち上げ、建物被害推定を公表した。
建物被害推定とは、震動分布の推定結果を使って、建物構造、被災度、耐震基準・年代ごとに異なる被害関数を適用し、250mメッシュごとの被害率を計算し、計算した被害率分布と建物分布データを組み合わせ、建物構造、耐震基準・年代別にメッシュ毎の被害棟数を算出し、それらを合計して、建物被害棟数として表したもの。要は、どの地域でどのくらいの住宅被害が出ているかを即座に推定し、地図上に表示するシステムだ。熊本地震以降、防災科研ではこうした情報を地震後に発表している。
それによると、地図上には宮城県山元町、福島県相馬市、郡山市、国見町などで黄色(2-5棟)や茶色(10-20棟)の住宅被害(全壊)が推定されている。真夜中でヘリコプターなどでは被害状況が把握しずらいが、被害が大きそうな場所をピンポイントで推定するのに役立つ。
ただ、各メディアの報道によれば、このシステムで表示されないような細かな住宅被害は、すでに広い範囲で発生している。
今後1週間程度は、二次災害を防ぐよう十分注意が必要だ。
二次災害の防止で特に気を付けるべき点を以下に挙げてみる。これ以外にもさまざまな危険が考えられるため、あくまで参考程度とし、まずは落ち着いて、安全対策を最優先に行動してほしい。また、被災した家屋や家具は写真を撮っておくと被災証明書や罹災証明を受ける際に役立つ。
【屋根に注意】
屋根の被害が多く報告されている。ブルーシートを急いでかけたいと思うだろうが、余震もあるため注意が必要。雪が残っていれば雪が落ちてくる可能性があるし、瓦屋根の場合は、余震で瓦が落下する可能性もある。瓦が落ちてきそうな場所にはなるべく立ち入らないようにした方がいい。
【家の中での注意】
家の中も、ガラスが割れていることもあるため、ケガをしないよう十分注意が必要。食器棚の扉が歪んで開きにくいということもあるが、中の割れたグラスなどが飛び出してくる可能性もある。また、余震により、壊れかかった家具類が倒れる危険もある。
【通電火災に注意】
停電をしている地域は、発熱する電化製品が転んでいたり、電気コードの配線がむき出しになっているかもしれないので、通電時に火災にならないよう一度ブレーカーを落とすことが大切。避難所に行く際は、必ずブレーカーを落として避難するように。
その他停電で気を付けるべき点は、下記の記事を参考に。
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakazawakosuke/20200804-00187708/
【ガス漏れに注意】
ガス漏れの危険性もある。火を使う場合は、ガス漏れがないかを確認した上で。
また、都市ガスの場合、ガスが自動停止している地区もあると思うが、復旧方法はガス会社のホームページなどで公表されているので確認を。
https://home.tokyo-gas.co.jp/gas/userguide/anzen/meter/reset/index.html
【一酸化炭素中毒に注意】【低体温症に注意】
天気予報によれば今週から天気も崩れる。寒さをしのぐため、石油ストーブなどの需要も高まるが、一酸化炭素中毒にならないように注意が必要。発電機は燃焼系は家の中で使わないこと。発電機本体は家の外に置くことが鉄則だ。車の中で過ごす場合も雪が積もるとマフラーがふさがり一酸化炭素中毒の危険がある。一方で、低体温症にも注意が必要。暖を取りながらも、定期的な換気が求められる。
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakazawakosuke/20210119-00218439/
【水不足・エコノミー症候群に注意】
断水している地域も多い。同じ姿勢で水分不足の常態が続くとエコノミー症候群にもなりかねない。十分に水分をとることを心掛けてほしい。
【感染拡大に注意】
コロナの感染拡大も防がなくてはいけない。避難所などでも既に感染対策がとられていると思うが、マスクの着用、手指消毒を徹底し、特にトイレなどは密にもなりやすいため、しっかりとした対策を講じていく必要がある。特に避難所のトイレは水が使えず簡易トイレを設置しているところもあるだろうが、消毒液をトイレの出入り口にも置いたり、できれば靴を使い分けたり、出口で靴の裏を消毒できるようにするなどの対策もあったほうがいい。