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謝罪し“10年前の失敗”に言及も…韓国代表ホン・ミョンボ新監督が就任会見で語ったこと

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
就任記者会見に臨んだホン・ミョンボ監督(写真提供=韓国サッカー協会)

サッカー韓国代表を新たに率いるホン・ミョンボ監督が就任記者会見に臨んだ。

7月29日、ソウル新門路(シンムンロ)のサッカー会館で行われた就任記者会見で、ホン・ミョンボ監督は黒のスーツ姿で会見場に姿を見せた。

そして会見冒頭、A4用紙8枚分という異例の長さの就任の辞を読み上げた。

「いかなる叱責と非難も謙虚に受け入れる」

特に、蔚山(ウルサン)HDの監督をシーズン途中に退き、代表監督のオファーを受け入れたことには「(蔚山に残るという)Kリーグのファンとの約束を破ったことに重い責任を抱いている。大きな声援を送ってくれた蔚山ファンに謝罪と許しを求める」と伝えた。

(参考記事:【写真】「嘘つき」の幕に「出ていけ」の野次…韓国代表監督就任の洪明甫、“2連覇達成”蔚山と残酷な別れ

また、「私は蔚山ファンが送ってくれた熱い応援と全面的な支持の中で、監督として再起することができた。今回の選択がファンに大きな傷と失望感を与えたという点で、もう一度頭を下げ、申し訳ないとお伝えしたい」とし、席を立って深く頭を下げた。

蔚山を2021年から約3年半率い、クラブ史上初のKリーグ2連覇に導いたホン・ミョンボ監督だが、韓国代表の新指揮官就任発表後は蔚山のファン・サポーターから猛反発に遭った。

実際、今月10日にホームの蔚山文殊(ウルサン・ムンス)サッカー競技場で行われたリーグ戦では、蔚山サポーターがホン・ミョンボ監督を非難する幕を掲示し、「ホン・ミョンボ、ナガ(出て行け)!」と激しい野次を飛ばしていた。

そんな蔚山サポーター含むKリーグのファンに向けて、指揮官は「いかなる叱責と非難も謙虚に受け入れる。失望したファンに許しを得ることは、韓国代表の成長と発展を導くことだ。より大きな責任感で臨む」と伝えた。

「尊重、対話、責任、献身をキーワードに」

韓国代表の新指揮官に就任後、ホン・ミョンボ監督は欧州出身コーチ候補やFWソン・フンミン(32、トッテナム)、DFキム・ミンジェ(27、バイエルン・ミュンヘン)などの欧州組と面談するため、スペインやポルトガル、イングランド、ドイツ、セルビアなどを回る欧州視察を行い、最近帰国した。

欧州出身コーチの最有力候補者と交渉中だと明らかにしたホン・ミョンボ監督は、「韓国人のコーチ陣も近いうちに発表する」と言及。

欧州組と建設的な対話を交わしたことも明かし、今後の代表運営案について「尊重、対話、責任、献身をキーワードにする」と明かした。

「選手たちとスタッフが水平的関係を維持し、疎通するだろう。守るべきラインも明確にする。多くのリスクはコミュニケーション不足から生じる。気兼ねなく対話したい」という指揮官は、「選手も変化を望むなら受け入れる。ただ、選手は権限を得るだけに、グラウンドで見せるべきだ」と付け加えた。

“ホン・ミョンボ体制”のサッカースタイルについては、「ボールを保持しながら試合の主導権を握ることが重要だ」とし、「W杯やアジアカップなどでなければ、普段の代表は招集期間が短いため、(試合前日の)24時間が非常に重要だ。どれだけコーチ陣がしっかり準備し、選手と共有できるかがカギだ」と力を込めた。

指揮官が認めた10年前の“人脈サッカー”

韓国代表は来る9月より、北中米W杯アジア3次予選を戦う。

ホン・ミョンボ監督は約10年前、2014年ブラジルW杯で韓国

代表を率い、グループステージ敗退という苦い経験をした。「当時は知っている選手だけを選ぶ“人脈サッカー”という話も聞いた。すべて認める。当時は(Kリーグについてよく知らなかったので)チームの助けになる献身的な選手を選ぶことができなかった」と指揮官は振り返る。

ただ、「今はKリーグで3年半の生活もした。試合を変えられる選手が頭の中にいる」と、蔚山を率いた経験を代表でも活かすことを強調した。

そして、最大の目標である2026年の北中米W杯については、「他国開催のW杯の最高成績はベスト16だ。それより良い成績のために努力する」と伝えた。

なお、新体制のキャプテンについては「大きな変化を与えるのは危険性がある。ソン・フンミンを今後もキャプテンとして信頼し、これまでやってきた役割を提示する」とし、引き続きエースが腕章を巻くことを明らかにした。

そのうえで、「あまり彼に多くの負担を感じさせないようにする。負担を分け、試合でもっと上手く戦えるようにする」と強調していた。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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