【伊勢市】「地球にやさしいものを」倭町の浄明寺で「木漆展」日常使いの皿や小鉢など80点 ~16日
皿やぐい呑み、靴ベラ、小鉢、箸、スプーン、フォークなど約80点が並ぶ「野嶋峰男 木漆展 木目とノミ目」が倭町の浄明寺・くり書院で開催中です。午前10時~午後6(最終日5)時。
出展者は日本工芸会正会員の野嶋峰男さん(76)=植山町。2007年に東海伝統工芸展で名古屋市教育委員会賞に輝くなど、数々の受賞歴があります。「20代後半にモーリシャス島へ旅した時、日本製らしいプラスチックの洗剤入れを現地の人々が水筒として使っていたのを見て、衝撃を受けました。それから、『常に地球にやさしいものを』と考え、自然素材でさまざまな生活道具や家具にチャレンジしてきました」。市工芸指導所(当時)へ通い、漆の入手方法や扱い方を学んだそうです。
会場には、ケヤキや柿、ヒノキなどに漆を施した普段使いの器や椅子などがずらり。「縄文時代の住民は土器にも木にも糸にも漆を用いていました。現代は中国から伝来した技法が主流。今はやっていない炭粉漆下地を利用しました。木と漆は環境面でも良いです」。
朱色は「ベンガラ漆」、青や黄、白色などは現代の漆の染料を使用。「安全性が高く、洗剤で洗っても大丈夫。さほど傷まないので、長年使えます」と野嶋さん。「裏を見てみて」と言われ、裏返すと、野嶋さんの遊び心が彫られていました。すべて違う模様で、面白いです。
若い頃に受けた衝撃で、今の道に進んだ野嶋さん。50年近く経っても、当時の信念を貫いています。野嶋さんの思いがこもった作品を見に、足を運んでみませんか。
- 「野嶋峰男木漆展 木目とノミ目」
- 日時:~16日 午前10時~午後6(最終日5)時
- 場所:伊勢市倭町49-1 浄明寺 くり書院
- 連絡先:0596-28-8459