転倒骨折防止、安全な歩行介助の方法・高齢者のどちら側に立つ?【介護福祉士が漫画でわかりやすく解説】
こんにちは。認知症と介護のケアサポーター『夢はるか』です。わたしは老人デイサービスや訪問介護など、高齢者介護の現場で15年以上働く介護福祉士です。
介護の仕事をしながら、子どもの頃から好きだった漫画を描くことを通して、認知症や介護のことを、一人でも多くの人に知っていただけたらと考えています。
一見元気そうに見える高齢者でも、段差や障害物が何もないところで、つまづくことがあります。
普通に歩いていると思ったら、急にふらついて膝がカクンと曲がったりする様子も介護現場ではよく見かけます。
転倒による大腿骨骨折は介護現場で多く起こる事故です。
「いつも大丈夫だから、何もないだろう」
ついそう思ってしまいますが、高齢者介護では常に歩行状態を観察することが大切です。
今日は、安全な歩行介助の方法を、いつものようにイラストを交えて解説していきます。
まず、介助者は左右どちらに立つか?
基本的には、高齢者の利き手の反対側です。
手すりがあれば、手すりとは反対側に介助者が立ちます。
お年寄りが、利き手でとっさに手すりにつかまれるようにします。
歩行が比較的安定している人には、自立支援の観点からも、なるべく介助なしで歩いてもらいます。
誰でも真横に人がべったりついていたら、歩きにくいですよね。
しかしいざという時には、すぐに対応できる場所にいることも重要です。
介助者は一歩斜め後ろの位置で、常に自分の視界に相手が入るようにします。
ここにいれば、とっさのときにもすぐに対応できます。
明らかにふらついているときや、歩行が不安定なときは、介助者の手をわきの下にそえるようにして当て、腕の付け根を支えます。
親指と人差し指の間を、脇にそわせるように当てると安定します。
そして、反対側の手で相手の手を握りましょう。
このとき、相手の手は上、介助者の手は下にします。
高齢者が介助者の手にグッと体重をかけることがあるので、しっかり支えるためです。
(体調不良の子どもを通院させるときにも、この方法はとても役立ちました)
また、お年寄りが急にふらついたときに、介助者がとっさに相手の手首をつかむと、腕が折れてしまうこともあります。
そうならないためには、腰やわきなどの体幹を、大きく支えるようにしましょう。
介護の基本ですが、体のどの部位でも、つかんで引っ張ることはケガの原因になります。
相手の立場になって考えたとき、引っ張られるよりも、包み込まれるように支えてもらうほうが、物理的にも心理的にも安心ですね。