かわいい子には汗をかかせよ:熱中症予防の2つの側面
熱中症注意!
全国各地で猛暑が続いています。熱中症のニュースも連日です。様々なメディアで、熱中症対策が話題になっています。もちろん、熱中症になっては困ります。暑さを避け、水分を取ることが大切です。
仕事でも、スポーツでも、熱中症でふらふらになってしまえば、パフォーマンスはがた落ちです。熱中症に気をつけることは、個人の健康を守ることはもちろんのこと、スポーツや仕事の成果を高めることにもつながります。
特に近年、熱中症の被害が大きくなっています。1994年ごろまでは、年間の熱中症死亡数が100人を越えることはまれでしたが、それ以降は年平均300人を越える死亡者が出ています(環境省「熱中症はどのくらい起こっているのか」)。気温が上がっていること、私たちが暑さに弱くなっていることなどが影響しているのでしょう。
猛暑の日本列島 熱中症で2人死亡2013/7/13
熱中症に気を付ける時期
熱中症は、例年梅雨入り前から発生し始め、7月下旬、8月上旬まで多く発生します。つまり、体が熱さに慣れていない時期に発生します。早い時期に汗をかき、暑さに体を慣れさせる必要があります。
サウナ風呂でも汗をかけますが、やはり体を動かすことによる汗の方が効果は高いようです。
環境省のサイトも、暑さに慣れることを勧めています。
一人一人に目を向けて
同じ環境にいても、一人一人の体の反応は異なります。体力のある人、ない人、熱さにすでに慣れている人、慣れていない人がいます。強い肉体を持っている人でも、体調不良の時はあるでしょう。体調をくずす人を、弱い人、根性がない人と責めることは間違っているでしょう。
オリンピックに出るマラソン選手だって、時に体調を崩し棄権します。
埼玉大会で熱中症球児に苦言、ネットで大ブーイング2013/7/13
暑さに負けないために
暑さを避け、水分を取り、体調を崩した人を助けることが必要です。でも同時に、暑さに負けない工夫も必要です。
熱中症に気を付けよう、あれにも注意、これにも注意。そんな情報ばかり見ていると、心配性の親の中には、夏はわが子を外出させない、ずっとクーラーの効いた部屋にいさせましょうといった発想すら出てきそうです。
熱い中で動くことが本当に悪いことなら、高校野球の全国大会を真夏の甲子園で実施することは悪いことでしょう。夏のオリンピックもダメです。営業マンも、道路工事も、農業も、夏の昼間はお休みです。
もしかしたら将来は、高校野球もドーム球場で行うようになるかもしれませんし(賛否両論でるでしょうが)、熱帯のようになった日本で、ビジネスマンも午後はシエスタ(昼下がりのお休み、おひるね)といったことになるかもしれません。でも今はまだ、違います。
もちろん倒れるようなことがあっては困りますけれども、心配しすぎも困ります。私たちは熱い中でも活動します。
熱中症予防のためには、活動の最中に暑さを避け水分を取るのと同時に、梅雨から初夏にかけて熱さに慣れる必要があります。また赤ん坊の頃から、少しずつ熱さに慣れ、汗腺が健康的に発達する必要があります。
子どもはかわいい。辛い目にはあわせたくない。けれども、過剰に守りすぎれば、逆効果にもなります。小さなケガを怖がりすぎると、大けがをしやすい子になります。夏の活動ができず、劣等感をつのらせる子になっても困ります。私たちは、蒸し暑い日本で生きていくのですから、楽しく良い汗をかきながら、健康に生きていきましょう。
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