日本ダービー、2023年も2回目の横山親子3人が参戦/父が勝てば史上最年長制覇、息子は初の栄冠狙う
2023年も日本ダービーに横山家の3騎手が参戦
今年の日本ダービーも昨年に続いて"横山家"の親子3人が揃って騎乗する。
競馬を普段、ご覧にならない方のために解説しておくと、"横山家"とは、大ベテランの横山典弘騎手と息子である横山和生騎手、横山武史騎手の2人の若手騎手らの総称だ。"ら"と書いたのは、競馬と繋がるこのご家族はこの3人にとどまらないからだ。典弘騎手の父である横山富雄さんも騎手だった。さらに富雄さんの妻の兄はメジロラモーヌ、メジロライアン、メジロアルダンなどを管理した奥平真治元調教師。典弘騎手の兄は元騎手で現在は競馬学校で教官をしている横山賀一さん、妹は菊沢隆徳調教師の妻で、その息子は菊沢一樹騎手である。
今年の日本ダービーでは横山親子3人の騎手が参戦する。18枠しかない日本ダービーのゲートに血族が3名も入るとは、本当に凄いことだ。
弟・武史騎手は無敗の1番人気ソールオリエンスに騎乗
中でも若手の注目株である武史騎手は皐月賞馬で無敗の1番人気ソールオリエンスに騎乗する。武史騎手は現在24歳。日本ダービーのJRA最年少勝利記録は田島良保氏の23歳7か月(1971年ヒカルイマイで優勝。なお、日本競馬史上の最年少記録は1943年クリフジで優勝した前田長吉氏)なので記録更新とはならないが、それでもじゅうぶんに若い。2019年にリオンリオンでダービー初騎乗(16着)を果たした武史騎手。最大のチャンスはエフフォーリアで挑んだ2021年で1番人気に支持されたが、ゴール寸前でシャフリヤールに差されてハナ差、わずか数センチの差で勝利を逃した。2022年はキラーアビリティで挑み、6着。今年は4度目の挑戦となる。
父・典弘騎手は史上最年長ダービー制覇をトップナイフで狙う
父の典弘騎手はトップナイフに騎乗する。
過去に2009年にロジユニヴァース、2014年にワンアンドオンリーで日本ダービーを制しているが、負けた中でドラマチックで20代で一番チャンスがあったのは1990年のメジロライアンだろう。当時まだデビュー5年目の若手騎手で、GIは未勝利。泥んこ馬場の弥生賞を豪快に差し切り「僕の馬(メジロライアン)が一番強い」と言い続けた。結果、逃げたアイネスフウジンには届かず2着。ロジユニヴァースでダービージョッキーになるまで15回挑戦し、デビュー24年目でその美酒を味わった。今回勝てばJRA史上最年長のダービージョッキーとなる。
兄・和生騎手は絶好枠1枠1番べラジオオペラで参戦
兄の和生騎手は1枠1番のべラジオオペラに騎乗する。テン乗りになるがここ2週調教にも参加して感触を確かめている。「馬の雰囲気に任せて追い切りました。前進気勢が出てきた」と良い手ごたえを得ているようで楽しみだ。和生騎手は2022年5月に天皇賞(春)でGIジョッキーの仲間入りを果たしたが、このとき祖父・富雄、父・典弘に続いて天皇賞(春)親子3代制覇を果たした。続いて同年6月には同じ組み合わせで宝塚記念の親子3代制覇を達成している。
息子が勝てば史上4組目の日本ダービー親子制覇
今回の日本ダービーで2人の息子のいずれかが優勝したならば、史上4組目の日本ダービー親子2代制覇となる。父・典弘との親子2代制覇は弟の武史騎手が皐月賞、菊花賞、有馬記念で達成している。"2代制覇"は武史騎手のほうが多い。なお、天皇賞(秋)で武史騎手も親子3代制覇を達成している。
距離体系は違えど(祖父・富雄騎手が天皇賞(秋)をメジロタイヨウ制した当時は芝3200m戦だった)兄弟で初の親子3代制覇の記録を分け合っているのは微笑ましい気持ちになり、さらに言えば芝2000mの天皇賞(秋)は父・典弘と子・武史の親子制覇となる。
さぁ、日本ダービー。筆者は2023年の日本ダービーは2代親子制覇の記録をいくつもたたき出している武史騎乗のソールオリエンスを推す。答えは2023年5月28日、午後3時40分すぎにわかる。
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