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どうにも止まらない韓国の「ノージャパン運動」

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
日本製品ボイコットを呼びかける韓国の市民団体

 韓国で猛威を振るっている「日本の物を買わない、売らない、行かない」の「ノー、ノージャパン」を合言葉にした「ボイコット運動」は2ヶ月経っても全く沈静化する兆しをみせてない。夏の線香花火で終わるどころか、さらに拡大の一方だ。

 昨日、日本の政府観光局(JNTO)は8月に日本を訪問した韓国人客(推計値)は30万8700人で前年同月比「48.0%も減少した」と発表していた。韓国発の便が大幅に減少したことから当然予想された現象である。

 ▲全国19の都市で旅客数が減

 調べてみると、先月(8月)韓国の国際空港・仁川~日本の旅客数は約96万8千人(出発約45万5千人、到着約51万3千人)で、昨年同期(約120万人)よりも19.5%の減となっている。「ボイコット運動」が始まった前月(7月)の112万人よりも13.6%も減っている。

 仁川空港からの旅客が7月よりも減少した地域は佐賀(-55.3%)、旭川(-46.5%)、大分(-46.2%)、札幌(-37.8%)、熊本(-33.4%)、沖縄(-26.2%)、北九州(-24.7%)、宮崎(-22.3%)、青森(-22.1%)、鹿児島(-21.8%)、高松(-13.4%)、富山(-13.4%)、松山(-8.2%)など19都市に上っている。

 大都市でも東京(羽田)が4.6%、成田が2.7%、大阪が12.3%、福岡も17.1%と、いずれも7月よりも減少している。但し、全国47都道府県すべて減少しているわけではなく、増加している地域もあり、新潟(10.2%)、仙台(5.3%)、名古屋(2.8%)、静岡(2.1%)など8地域に上る。

 ▲ビールは34分の1に急減

 消費品では全国700万の自営業者・中小のスーパーが日本製品販売中断を宣言したことでビールやタバコなどがもろに影響を受けている。

 韓国関税庁が3日前(9月16日)に発表した統計では、日本産ビールの輸入額は22万3千ドルで、7月の434万2千ドルから大幅に落ち込んだ。昨年8月(756万6千ドル)と比べると驚いたことに34分の1の大幅な減となった。

 日本のビールは2009年1月から今年6月まで10年間トップの座にあったが、8月はフランスやメキシコ、香港に抜かれ10位にまで後退。ちなみにフランスは29万7千ドル、メキシコは25万5千ドル、香港は24万4千ドルと、いずれも日本を上回っている。

 ちなみに、輸入ビールの1位中国(462万ドル)、2位オランダ(430万ドル)、3位ベルギー(377万ドル)で、以下、米国、ポーランド、ドイツ、デンマーク、チェコの順となっている。ここ数年人気のあった日本酒も7月よりも63.7%も減少していたことがわかった。

 ▲日本車の販売台数も半減

 韓国では7月から日本車をボイコットする動きが顕著となったが、韓国の産業通商資源部が昨日(18日)発表した暫定集計によると、日本車のブランド別の販売台数は、日産が前年同月比87.4%減、ホンダが80.9%減、インフィニティ(日産自動車)が68.0%減、トヨタ自動車が59.1%減となった。唯一、レクサス(トヨタ自動車)だけが7.7%増えている。

 韓国の輸入自動車協会(KAIDA)によれば、6月の外車の新規登録台数は1万9386台で前年同期の2万3311台よりも16.8%減少。上半期累計でも10万9314台で昨年の14万109台よりも22.0%も落ち込んだ。

 外国車の輸入は全体的に落ち込んでいるが、それでも日本車だけは増加し、6月は延べ3、946台と、前年同月の3,372台よりも17%増加。上半期累計でも2万3482台と昨年同期(2万1285台)比10.32%の増だった。

 日本車の販売額は4-6月だけでも6億4千万ドルと昨年同期よりも24.7%も増加していた。同期間ドイツ車が38.6%減、米国車が4.5%減だったことを考えると、飛び抜けていたことがわかる。なお、昨年の韓国の日本からの輸入額は11億9130万ドル。

 この他にタバコが92.7%減、ビデオカメラも70.9%減と軒並みに減少。ユニクロも先月第四週の決済額が前月同期に比べ、70%も減少している。

 美容機器も83.0%のマイナスである。韓国の美容室はコーヒー店に次ぐ全国で最も多い自営業であり、全国に6万6千店舗がある。化粧品も資生堂など日本製が愛用されていた。

 仮に、全国地方自治体(ソウル・釜山など大都市を含む全国17の広域地域)の議会が推進している「日本戦犯企業」(184社)不買条例が議決されれば、公共機関などでも日本製品の購入が制限されることになり、「日本製品ボイコット運動」はさらに拍車がかかることになるだろう。

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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